在宅ワーク・内職の求人・アルバイト情報なら主婦のためのママワークス

インフラエンジニアの仕事とは?仕事内容や必要なスキル・年収も解説!

「インフラエンジニア」という仕事をご存知でしょうか。IT業界に詳しい方でなければ、あまり聞きなれない職種だと思います。幅広い知識やスキルが求められるインフラエンジニアですが、インフラエンジニアになるためには、必要な資格はあるのでしょうか。また、どんな場面で活躍するエンジニアなのか、その将来性などについても見ていきましょう。

目次

インフラエンジニアはどんな職種?

・インフラとは

インフラとは「infrastructure(インフラストラクチャー)」の略です。

社会や経済における基盤を指しています。

具体的には、道路や鉄道などの公共機関や港湾やダム、ゴミ処理場などの設備、構造物などのことです。

いっぽうで、公民館や公園など生活に欠かせないもののこともインフラに入れたり、企業・組織活動などにおけるサーバー、ルーター、LANケーブルなどのIT系ネットワークもインフラと呼ばれています。


・インフラエンジニアとは

インフラエンジニアとは、インフラのなかでも、おもにIT系ネットワークを設計、構築、運用、保守する職種のことを指しています。

そのなかでも、とくにサーバーを管理する人をサーバーエンジニアと呼んだり、ルーターやLANケーブルなどの設計、運用、保守をする人をネットワークエンジニアなどと区分けして呼ぶことも多いです。


・システムエンジニア(SE)との違いは?

システムエンジニアとは、ソフトウエアやアプリケーションなど、おもにソフト面での開発を担う職業のことを指します。

いっぽうでインフラエンジニアは、ソフトウエア等を動かすための基盤を構築するため、その前段階を整える職業と言えます。

参考URL:職業情報提供サイトjobtag「運用・管理(IT)

インフラエンジニアの種類とは

一言でインフラエンジニアといっても、実はその役割により種類がいくつか分かれています。

▷サーバーエンジニア

サーバーの構築から、実際の運用、保守を担当するのが、サーバーエンジニアです。

企業では、共有したいファイルを保存するファイルサーバーや、ホームページのデータを格納するWebサーバー、社内の人へのメールを格納しておくメールサーバーなどを設置することが

一般的です。サーバーエンジニアは、その組織の規模や性質に合わせ適切な機器の設置、ソフトウエアのインストールなどの実作業を行うほか、ソフトウエアのアップデート、障害が起きた際の対応を行います。

▷ネットワークエンジニア

各々のパソコンで共有のファイルを開いたり、インターネットに接続できるよう、ルーターやLANケーブルによるネットワークの設計を行うのがネットワークエンジニアの仕事です。設計書に基づき、工事作業者に配線を指示したり、自ら行ったりします。また、スムーズに通信ができているか、日常的に監視したり、障害発生時の対応なども担当します。

▷セキュリティエンジニア

昨今、ウィルス付きのメールを送りつけたり、サーバーに不正にアクセスするような犯罪が後をたちません。セキュリティエンジニアは、そういった外部からの攻撃に対しセキュリティ対策を施すのが主な仕事です。具体的には、セキュリティ機器の設置、ソフトウエアのインストールを行います。年々犯罪が巧妙化しており、重要性がますます増加している注目の職業です。

インフラエンジニアの仕事内容をわかりやすくご紹介

小さなお子さんがいる方の中には、祖父母に孫のかわいい写真を見せてあげたいと、写真共有のアプリを使っている方も多いでしょう。そういったWebサービスひとつをとっても、インフラエンジニアの存在がなくてはサービスが成立しません。例えば、アプリ内で写真を選んで「共有する」ボタンを押せば、瞬時に登録している家族に通知され、家族もその写真を見ることができますよね。これはアプリの会社のサーバーに写真が登録され、サーバーも端末もネットワークにつながっていることで実現するサービスです。もしも、ネットワークやサーバーが正しく整備されていなければ、「共有する」ボタンを押しても写真はサーバーに登録できず、共有することはできません。

Webページの置き場所である「サーバー」と、Webページにつながる道である「ネットワーク」を正しく整備するのがインフラエンジニアの仕事です。決して目立つ派手な仕事ではありませんが、Webサービスの根幹の重要な役割を担っていると言えるでしょう。

インフラエンジニアの具体的な仕事内容とは

インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなど、Webサービスの土台を整備する仕事だとわかりました。それでは、実際には日々どんな仕事をしているのでしょうか。業務内容は、設計・構築・運用の3つに分けることができます。

【設計】
企業のサービスやシステムが、正常に作動するために必要となるネットワークやコンピューターの導入などを提案することからプロジェクトが始まります。想定されるボリュームや求める質や速さを考慮し、最適なプランを企画書に落とし込みます。また、様々なネットワーク周辺機器を把握し、その中から費用対効果を鑑みて、最適な機器の選定をすることも重要な仕事です。周辺機器の性能や性質について熟知している必要がありますので、新製品などの情報をキャッチできるよう、感度を高くしておくことも大事になるでしょう。

【構築】
次に設計したプランを元に、実際にインフラを構築していきます。インフラ、特にサーバーの構築においては、OSは無料で利用できる「Linux」を使用することが多いですので、Linux の知識はインフラエンジニアには必須です。また、LinuxとWindowsが混在する環境で構築しなければいけないこともあるので、Windowsの知識も必要となるでしょう。

現場にハードウェアを運搬し、設置するのもインフラエンジニアの仕事ですので、大きなプロジェクトとなると、意外と力仕事も多く発生します。その後、ソフトウェアのインストールや設定をして、要件を満たす動作や機能を構築していきます。構築できたら負荷テストを行って、正常に稼働するかを確認するのも大切な仕事です。

【運用】
インフラの設計・構築をすれば終わりではなく、正常な動作をしているかどうか、継続的に保守や監視をするのもインフラエンジニアの役割です。もし、障害やトラブルが発生した場合は、直ちに何が原因なのかを特定し、復旧作業を行う必要があります。障害は、「ハードウェア(サーバー・スイッチなどの機器)の故障」「急激なアクセス増」「不適切な権限設定(アクセス権限を剥奪する等)によるアクセス不可」ということが多いでしょう。

企業のサービスやシステムが停止してしまうことは、莫大な損失を発生させてしまうことにつながります。トラブルがあったときには迅速に問題解決できるよう、トラブルに対処できる知識やスキルが必要となります。

インフラエンジニアに資格は必要?

先に結論を言ってしまうと、インフラエンジニアになるために、必ず必要となる資格はありません。基本的にはIT業界は、資格よりも実力が重視される世界と言えるでしょう。ただし、業務内容と関係している資格を取得しておくと、業務効率があがるなどスキルアップに繋がることもありますし、対外的にもスキルを証明することができますので、昇進や転職の際には有利になると考えられます。また企業によっては、毎月の「資格手当」や資格取得の「報奨金」が支給されることもあり、年収アップにつながる可能性もあります。

資格には大きく分けて、「国家資格」と「ベンダー資格」があります。「国家資格」は、法に基づいて国や国から委託を受けた機関が実施する資格で、IT業界に携わる人ならだれでも知っている有名な資格が並びます。一方、「ベンダー資格」は、一般企業が独自に制定しているもので、IT業界においてリリースされている製品・サービス・ソフトウェアなどの知識や技術を認定するものです。特定の製品などにしか適応できない知識ですので、キャリアチェンジした場合などは、あまり役に立たなくなるケースもあるかもしれませんね。また、国家資格には有効期限がありませんが、ベンダー資格には有効期限が設けられています。ベンダー資格は、特定の製品の技術や知識を問うものですので、時代の流れとともに当然ながらアップデートされていき、古い知識があっても役に立たないためです。

それでは、インフラエンジニアは、どんな資格を取れば職務上有利になるのか、順にみていきましょう。

国家資格は難易度高めのものが多い!

【国家資格】
まずは、国家資格から見ていきます。以下でご紹介する4つの資格は、すべて独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施し、経済産業省が認定する「情報処理技術者試験」です。IT系では数少ない国家資格となります。

■ITパスポート(IP)
職業人として備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識を持っていることを認定する試験です。コンピュータシステム、データベース、ネットワーク、情報セキュリティに関する知識が必要ですので、ITパスポートの勉強をすることで、幅広い知識が身につきます。また、問題分析や経営・財務に関する知識も学ぶことができるので、IT業界以外の分野に転職する際にも役に立つでしょう。ITの基本が中心となる、基礎レベルの内容の試験ですので、合格率は令和元年度で54.3%となっています。他の情報処理技術者試験は、どれもかなり難関ですので、まずはITパスポートの資格を取得し、基礎固めをするのも良いでしょう。

■基本情報技術者試験(FE)
IT系技術者を目指す人ならまず取得したい、基礎的な資格と位置付けられています。ITに関する基本的な知識や技能を持ち、実践的な活用能力が身についているかを認定します。合格には、情報処理の基礎理論、プロジェクトマネジメント、SQL(データベース)など幅広い知識が必要です。エンジニアなどIT系の多くの職種で役に立つ資格ですので、令和元年には約17万人もの人が受験し、合格率は25.7%でした。登竜門的な資格と位置付けられていますが、その合格率は決して高いものではなく、しっかりとした試験対策が必要です。

■応用情報技術者試験(AP)
基本情報技術者試験(FE)に合格した人が、次に取得を目指すのは、応用情報技術者試験(AP)です。この試験では、技術はもちろん管理や経営まで幅広い知識と応用力が身に付いているかどうかを判定します。合格すれば、実践面でもIT基盤構築の際に、知識を生かして高いパフォーマンスを発揮することができ、高度IT人材として重宝されるでしょう。令和元年には約10万人が受験し、合格率は22.3%とこちらも難関な試験です。記述式の設問があり、より高度な知識と深い理解が必要となります。

■データベーススペシャリスト試験(DB)
データベーススペシャリストは、データベースの設計や運用管理に特化した、専門的な知識を持つスペシャリストとして証明される国家資格です。ビッグデータ時代に求められている、効率の良いデータベースシステムの企画・要件定義・開発・運用・保守に携わるために必要なスキルを持っているかを判定します。膨大なデータを分析するデータベースに適応する固有技術やプロジェクト管理など、データベースに関する知識全般が問われます。「応用情報技術者試験(AP)」よりさらに上位の試験であり、平成31年度の合格率は14.4%と最難関レベルの試験です。午前に4択式の問題が出題され、午後には記述式の問題が出題されます。

■ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ネットワークスペシャリスト試験とは、高度IT人材としてITに関する基礎知識を保持し、その中でも特にネットワークに特化した技術を習得し、安全で効率性の高いネットワークシステムを構築できる人材を認定するものです。ネットワークシステムの設計や運用に関する知識、セキュリティ知識、プロトルコ技術など幅広い知識を総合して、最適なネットワーク設計ができるかなどを評価されます。ネットワークエンジニアやインフラエンジニアとして働いている人、またそれらを目指す人に役に立つ資格と言えるでしょう。令和元年の合格率は14.4%とこちらも非常に難易度の高い試験となります。選択式と記述式の問題があり、毎年秋に1回試験を実施しています。

■情報処理安全確保支援士試験(SC)
ITの安全・安心を支えるセキュリティのスペシャリストとしての知識や技術を問う試験です。サイバー攻撃による社会的脅威が急速に増大する中、組織でのサイバーセキュリティ対策が必須となっています。この試験では、セキュリティマネジメントに関する計画・運用・評価・改善を通して、情報セキュリティ確保に当たる技術と知識を持っていることを認定しています。ITインフラはシステムの基盤となるため、インフラエンジニアはセキュリティの知識も必須となります。令和元年は、合格率は19.1%とこちらも難易度の高い試験となります。

また、この試験に合格したのち、所定の手続きを行うことで国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」の資格保持者となることができます。登録セキスペに登録された方は登録証が交付されますが、登録更新回数によって、運転免許証と同じように3種類のカラーパターンで分けられています。(グリーン/ブルー/ゴールド)。また登録者としての情報が検索サービスに掲載され、一般公開されることとなります。

続いてベンダー資格(民間資格)をご紹介!

「ベンダー資格」とは、自社の製品やサービスを扱える知識や技術があることを認定する民間の資格です。IT業界ではよく知られているものから、マイナーなものまで様々な資格がありますが、昇給や転職で有利になるのはやはり、メジャーな資格ですので、そういった資格の取得を目指すのがおすすめです。国家試験と違って、受験料がかなり高額ですので、あれもこれもと取得するのは難しいこともあります。国家資格は5000円台で受験できるのに対し、ベンダー資格は数万円かかることも珍しくありません。ベンダー資格は、自分のキャリアにとって必要な試験を見極めて取得を目指すのが賢明です。

■オラクルマスター
オラクル社製品の「Oracle Database」の管理スキルを証明する資格として、延べ26万人ものエンジニアが受験してきたIT業界では有名な資格です。現在、国内のデータベース管理システムのほとんどがOracle製品で占められているので、オラクルマスターで運用の基礎をしっかりと身に着けていれば、幅広い管理運用に活用できるといえます。

2020年1月以降に実施される試験から新資格体制となり「Bronze DBA」「Silver DBA」「Gold DBA」「Platinum DBA」「Silver SQL」の5つとなりました。2020年11月の時点で「Platinum DBA」の詳細は発表されていませんので、現状受験できるのは「Platinum DBA」を除く4つとなります。新資格体制前はBronzeから順に資格を取っていく必要がありましたが、新資格体制ではBronzeの取得は任意となり、Bronze資格なしでもSilverが受験できるようになりました。またGoldの受験の要件であった、要履修のコースがなくなり、Gold受験に必要な試験数が4試験から2試験に減り、受験しやすくなりました。目安としてITエンジニアが「Bronze DBA」、運用担当者が「Silver DBA」、データベース管理者が「Gold DBA」となっているので、インフラエンジニアとしては「Gold DBA」を目指したいところです。全国にあるピアソンVUE社テストセンター、またはオンラインで受験できます。

■シスコ技術者認定試験
ネットワーク業界で圧倒的なシェアを誇る、シスコシステムズの認定資格です。シスコ社の製品を使ったネットワーク設計や構築、運用のスキルを認定するもので、アソシエイト、スペシャリスト、プロフェッショナル、エキスパートのレベル別の資格が用意されています。世界的に有名なシスコシステムズですので、資格を取得すれば、世界的にも水準の高い技術者であることが証明されます。ネットワークに関わる機会の多いインフラエンジニアにはおすすめのベンダー資格です。2020年2月より認定プロセスなどが改訂されました。

<Cisco Certified Network Associate(CCNA)>
こちらは基礎的な内容のアソシエイトの資格です。ネットワークの基礎、ネットワークアクセス、IP接続、IPサービス、セキュリティの基礎、自動化とプログラマビリティに関する知識とスキルが問われます。まずはこちらのアソシエイトレベルに合格すれば、さらに上級の資格にチャレンジすることもできます。

<Cisco Certified Internetwork Expert(CCIE)>
こちらは、シスコ技術者認定試験の中でも、エキスパートレベルの上位認定試験です。CCIEの認定を受けるためには、筆記試験とラボ試験に合格しなければならず、ラボ試験は8時間にも及ぶ実戦形式の試験となっています。複雑なコラボレーションインフラストラクチャの設計・導入、そして運用・最適化までをその場で組み立てるという、非常に難易度の高い試験となっています。シスコ認定プロフェッショナルのうち、CCIE取得者は3%未満と言われおり、合格すれば高い技術力が対外的にアピールできるのは間違いありません。

■Linux技術者認定資格「LinuC」
LinuCは、LPI-Japanが提供するLinuxを使用した、クラウド時代の即戦力エンジニアであることを証明する資格です。Linuxを基本とした、システム構築・運用の基礎についての知識や技術を認定します。Linuxサーバーは、Windowsサーバーと並んで国内でもシェアの高いサーバーですので、インフラエンジニアには必須のスキルとなります。

この試験には、「LinuCレベル1」「LinuCレベル2」「LinuCレベル3」と3つのレベルがあり、レベル1から順次認定試験を受ける必要があり、順次レベルアップしていく構成になっています。レベル1では、仮想環境を含むLinuxシステムの基本操作とシステム管理が行える基本的なスキルを持った技術者として認定されます。レベル2では、仮想環境を含むLinuxのシステム設計、ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、保守、問題解決ができる高いレベルの技術者として設定されます。レベル3は、分野別に3つに分かれていて、各分野の最高レベルの技術力を持つ専門家として位置づけされています。「Mixed Environment」「Security」「Virtualization & High Availability」の中で一つの試験に合格すれば、その分野のレベル3の認定を取得できます。勉強期間の目安は、レベル1が1~3ヶ月、レベル2が3ヶ月~半年、レベル3が半年~1年程度となっています。インフラエンジニアであれば、レベル2までの資格を持っていると、十分に現場で活躍できる技術を持っていることの証明になるでしょう。

■AWS認定
Amazonが運営するクラウドサービス「AWS(Amazon Web Service)」の専門知識を認定する資格です。AWSは現在クラウドサービスの国内トップシェアを誇っていることから、AWSの知識やスキルを持つ人材の必要性が急速に高まっています。実用的な勉強も兼ねて取得すると役に立つ資格となるでしょう。AW S認定には、それぞれレベルや専門知識が異なる11種類の資格がありますが、インフラエンジニアには下記がおすすめです。

<クラウドプラクティショナー(ファンデーショナル)>
AWSクラウドについての全体的な理解があることを証明する、基礎レベルの試験です。この試験は「クラウドの概念」「セキュリティ」「テクノロジー」「請求と料金」という4つの分野から構成されていて、合格すればAWSクラウドの概念やテクノロジーなどの基礎的知識があることを証明できます。試験の準備として、ASWの基礎をネット上で学ぶ「デジタルトレーニング(6時間コース)」も無料で用意されています。半年ほどのAWSを使った実務経験がある方や、これからAWSに取り組みたいという方が受けるべき試験と言えます。

<ソリューションアーキテクト(アソシエイト)>
主に設計者向けで、「クラウドプラクティショナー」の上位に当たる中級レベルの資格です。AWSの技術を使用して、安全で効率の良いクラウド環境の設計・構築・提案などができる知識が必要です。「AWS Well-Architected Framework」で提唱されている、システムを設計・構築・運用する上での5つの原則(優れた運用効率、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コストの最適化)とベストプラクティス(AWSの最適な活用法)などに沿った問題が出題されます。出題範囲も広範囲に及ぶので、まずは下位の「クラウドプラクティショナー」を取得してから、チャレンジすると良いでしょう。

・ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)
「ソリューションアーキテクト(アソシエイト)」の上位に当たる、上級資格です。AWSを使った、分散アプリケーションやシステム設計における高度なスキルと専門知識を証明する資格となります。動的なスケーラビリティ、高可用性、耐障害性、信頼性を備えたアプリケーションの設計、デプロイなどの知識とスキル、そして要件にもとづくAWSサービスの選択などが問われます。試験問題が170分で75問とボリュームが多く、試験範囲も広いため、AWS認定の中でも最も難しいとも言われている難関試験です。

インフラエンジニアに必要な知識とスキルとは

インフラエンジニアになるのに必要な特定の資格はありませんが、業務上必要となる知識やスキルは非常に多岐にわたります。インフラエンジニアはあくまで技術者ですので、プログラミング言語の知識や使用経験は必須となります。その他にも、以下のような知識やスキルがあると良いでしょう。

■サーバーの知識
先にも紹介したように、インフラエンジニアはサーバーの整備が業務の一つです。サーバー構築では、資格の項目でも出てきた汎用性の高い「Linux」のOSが使われることが多いですので、Linuxをマスターしておくことは必須となるでしょう。またWindowsも依然として多く使われているOSですので、使用できるよう勉強をしておきましょう。

■ネットワークの知識
インフラエンジニアのもうひとつの重要な仕事がネットワークに関するものです。現在はネットワークの整備には世界的にも有名なシスコシステムズの製品が多く使われていますので、シスコ社の機器について精通しておく必要があります。ファイアウォールやロードバランサーなどの機器についても熟知し、必要な場面で正しく使用できる知識が必要となるでしょう。

■セキュリティの知識
サーバー攻撃の脅威が増大する中、セキュリティ対策の重要性が年々高まっています。不正アクセスやサービスをダウンさせる攻撃など、多様な対策が必要です。サーバー側とネットワーク側、両面からセキュリティを確保できる幅広い知識が必要になります。

■仮想化技術・クラウドの知識
インターネット環境の変化に伴い、ITインフラをクラウド上に構築することも増えています。その中で、自社の設備で運用していた情報システムをクラウドサービスに移行させるといった作業が発生することもあります。その際には、移行作業にAWSが一番多く利用されていますので、AWSに関する知識が求められるでしょう。AWSに関しては先の資格の項目にも出てきましたが、Amazonが運営するクラウドサービス「AWS(Amazon Web Service)」は、現在国内で最も多く使用されているクラウドサービスですので、インフラエンジニアであれば少なからず使用する機会があるでしょう。

■コミュニケーションスキル
インフラエンジニアに限らずエンジニアと言えば、黙々と機器と向き合っているイメージがありますよね。しかし、実際の仕事では、クライアントや社内の他部署から必要な要件定義を正確に聞き取る必要がありますし、スムーズにプロジェクトを進めるためにも、コミュニケーションスキルは必須です。また担当者がITに詳しい人でないこともあるので、専門用語などを用いず、IT業界以外の人にもわかりやすいように話をする必要もあるでしょう。

■プロジェクトマネジメントスキル
1人のインフラエンジニアで完結できるプロジェクトはありません。立場の違うメンバーをまとめるリーダー的立場になるには、プロジェクトマネジメントのスキルも重要になります。メンバーの調整や、納期・進捗管理などもできるプロジェクトマネージャーを兼務できれば、年収アップも目指せるでしょう。

インフラエンジニアの年収は

幅広い知識が必要な専門的技術職であるインフラエンジニアですが、その年収はどれくらいの水準なのでしょうか。インフラエンジニアを目指す方も参考にしてくださいね。

DODAの平均年収ランキング2019では、下記データとなっています。
■ネットワークエンジニアの平均年収:457万円
20代:373万円/30代:518万円/40代:602万円

■サーバーエンジニアの平均年収:467万円
20代:385万円/30代:537万円/40代:613万円

参考サイト:https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/

また、求人ボックスの2020年10月データを参考にすると、インフラエンジニアの平均年収は「約524万円」となっています。国税庁が平成30年に発表した民間給与実態調査では、日本人の平均年収が441万円とされていますので、それに比べると若干高い傾向になっていると言えるでしょう。またフリーランスのインフラエンジニアの場合、平均年収が828万円というデータもあります。(参考サイト:https://freelance-start.com/articles/282)

IT業界は実力主義ですので、持っているスキルと経験により、年収の幅が広い職種だと言えます。同じインフラに関わる仕事でも、上流過程である「要件定義」や「基本設計」ができるインフラエンジニアはおのずと年収が高くなりますし、逆に新卒や未経験者が配属されやすい「保守管理」では年収250万円程度ということもざらにあります。運用経験を経て基本設計や要件定義までできるようになれば、年収800万円~1000万円程度のオファーもあるでしょう。

インフラエンジニアにはどのような人が向いている?

さまざまなエンジニアがありますが、インフラエンジニアにはどのような人が向いているのか解説していきます。

▷細かいところまで配慮できる人

サーバーもネットワークも、障害が起きないことが最も重要です。

想定より重い負荷がかかってしまいネットワークが落ちてしまうと、導入企業の実務に多大な損害が出てしまいます。したがってネットワークエンジニアは、その企業ごとに適切な設計を行う必要があります。本当にその設計で問題がないか、細かいところまで配慮できる人に向くと言えます。

▷責任感がある人

サーバーやネットワークは一度構築すれば良いというものではありません。

ソフトウエアのアップデートをしたり、古くなった機器の交換を計画したり、機器の追加などを行うことも必要です。

したがって、日ごろの保守作業が欠かせません。

また、万が一トラブルになった際、自分が設計、構築したインフラでなくとも、速やかに原因をつきとめ復旧させる必要があります。

したがって、責任感のある方がインフラエンジニアに向くと言えます。

▷新しいことも興味がある人

インフラをはじめ、IT系は進歩が早い業界です。

したがって、常に新しい技術に対して知識の更新が必要です。

当然、好奇心旺盛で、新しい知識の習得に貪欲である方が向いています。

▷コミュニケーションスキルが高い人

インフラエンジニアはチームを組んで仕事をすることが多い職業です。

比較的規模の小さいインフラの設計、運用、保守であれば1人で見ることもありますが、複数のエンジニアや作業者と協力しながら業務にあたることが多いです。

また、設計をすすめるにあたり、クライアントの希望を反映させることが必要となるので、コミュニケーションスキルが高い人のほうがインフラエンジニアという職業に向くと言えます。

未経験からインフラエンジニアを目指すには

幅広い知識と技術が必要となるインフラエンジニアは、現在でも人材不足だと言われていますが、ITの発展はとどまることがないので、今後も需要が高まる職種だと考えられます。また、スキルと知識があれば、引く手あまたで、高年収が狙える職種でもあります。

未経験からインフラエンジニアを目指すのであれば、先に挙げた資格を取得するのも一つの手です。全く経験も知識もない状態では、インフラエンジニアとしての求人に応募することも難しいでしょう。少なくとも資格があれば、一定の知識や技術があるという証明にはなります。未経験のインフラエンジニアの場合は、先に紹介した資格の中でもシスコシステムズの「CCNA」もしくは、Linux技術者認定資格「LinuC」のLevel1を取得しておくと有利になります。

ただ、実務で活躍するには幅広い知識が必要なため、独学では行き詰ることも多いでしょう。アドバイスが受けられないため疑問点やエラーの解消ができない場合や、実践的な技術を身につけることが難しい場合も多いです。IT業界も未経験の方であれば、プログラミングスクールや職業訓練に通って勉強するのが近道でしょう。最近では、オンライン上で学べるWebスクールもあるので、仕事をしている方や、外出するのが難しいママさんでも、空いた時間に少しずつ学ぶことができます。転職サポートやキャリアカウンセリングを実施しているスクールもあるので、予算に合わせてスクールを探してみてはいかがでしょうか。

「スクールに通う時間もお金も捻出できない」という場合、未経験でもインフラエンジニアの卵として採用し、社内で育成してもらえる方法があります。それは、インフラ運用・保守の仕事を探すことです。

インフラを設計・構築するのは高いスキルが必要ですが、一度構築すれば、とりあえずはプロジェクト完了となります。しかし、運用・保守についてはそうは行きません。サービスを提供するためには、24時間365日システムを稼働させなければならないので、ITインフラの運用管理会社にアウトソースするケースが多いのです。人材不足の業界のため、未経験の人材を安い給料で採用し、社内で育成しながら、運用・保守管理業務を任せるという方針の企業もあります。最初のうちは、給料は安いでしょうが、しっかりと技術を勉強させてもらえて、なおかつ給料がもらえるということは、未経験からインフラエンジニアを目指したい方にとっては、またとないチャンスとなるでしょう。

インフラエンジニアのキャリアパス

インフラエンジニアの仕事は、難易度の低い下位工程から「監視・テクニカルサポート」→「運用」→「詳細設計・構築」→「基本設計」→「要件定義」の順序となります。下位工程からスタートし、自身のスキルアップに伴って、難易度が高い上位工程携わっていくことが多いでしょう。ただし、「監視・テクニカルサポート」では、実際に手を動かすことはあまりなく、実務でスキルを身につける機会が少ないため、ステップアップするには独学で勉強することが必須となります。「運用」以降は、実際に経験を積むことで、スキルが身についてくるでしょう。

インフラ設計・構築業務の経験を積み、インフラエンジニアとして一人前になったら、この先のキャリアパスはどう考えれば良いのでしょうか。インフラエンジニアのキャリアパスとしては大きく分けて2つの道があり、一つには技術のスペシャリストを目指す、もう一つにはマネジメント系のキャリアを目指すという道筋になります。どちらが優れているということではないので、それぞれの適性に合ったキャリアを選びましょう。

■技術のスペシャリスト
「ITスペシャリスト」や「フルスタックエンジニア」など幅広い知識を生かしたエンジニアを目指す、もしくは「クラウド系エンジニア」「セキュリティ系エンジニア」など、専門領域を尖らせていくパターンもあります。

■マネジメント系キャリア
「プロジェクトマネージャー」に代表されるプロジェクト全体を管理する職種や、「ラインマネージャー」といった会社組織の管理をする職種がこちらに当たります。高い管理スキルが必要で責任も大きい仕事ですので、年収も高く設定されているケースが多いです。

女性インフラエンジニアとして働くメリット・デメリット

未経験からでもインフラエンジニアを目指す道があるということで、興味を持った方もいるかもしれません。IT業界はイメージする通り男性が多い職場で、女性のインフラエンジニアは希少ですので、重宝される傾向にあります。女性ならではの気遣いや細やかさ、また現場の雰囲気を明るくすることなどが期待されているためです。女性がインフラエンジニアとして働くメリット・デメリットを見ていきましょう。

<メリット>
■キャリアの安定度が高い
これまでお伝えしている通り、インフラエンジニアはITサービスの基幹となるインフラ構築や運用・保守を行う仕事です。ITを使った事業は今後さらに拡大し、成長が見込まれますので、需要もますます増大するでしょう。運用・保守の仕事は24時間365日続くものですので、仕事がなくなるということはまず考えられません。よって、安定した基盤の中、継続的に仕事をすることが可能でしょう。

■手に職をつけることができる
インフラエンジニアとして仕事をするには、幅広い知識が必要となります。プログラミング言語、サーバー・ネットワーク・セキュリティの知識、関連するハードウェアやソフトウェアの知識など、学ぶことは多いでしょう。一通り技術と知識を積めば手に職をつけることができ、先にもお伝えした通り、継続的に仕事を続けることができます。人出不足が常態化していますので、よりよい環境を求めて転職することも、他業界に比べて難しくはないでしょう。

■キャリアを選びやすい
また、妊娠・出産を経て復職・再就職する場合も、しっかりとした経験をつんでいれば、働き方を選びやすい職種と言えます。残業を少なくしたい場合は「インフラ運用・保守管理の仕事を選ぶ」こともできますし、さらにキャリアアップしたいという場合は「インフラ設計・構築に携わる仕事を選ぶ」「管理職を目指す」こともできます。人手不足で優秀な人材確保が難しくなっていることから、子育てで社員が退職するのを避けるため、子育て中の社員にも働きやすい環境を整えている企業も増えてきました。「夜勤の免除」「子どもが小学校卒業まで時短勤務可能」といった待遇が整備されているケースもあります。

■需要が高い
IT業界は女性より男性が圧倒的に多い職場ですが、女性エンジニアは非常に需要が高く、多くの企業から求められています。インフラエンジニアはチームで仕事をしていますので、気遣いや細やかさといった、女性ならでは優位性をもったエンジニアが重宝されるためです。同じスキルを持った女性と男性のエンジニアがいれば、女性を積極的に選ぶといった傾向にあるようです。ですので、ある程度のIT知識とコミュニケーション能力の高さがあれば、未経験でもインフラエンジニアとして採用される可能性も高いでしょう。ただし、その分未経験でインフラエンジニアとして入社した女性が、仕事内容についていけず、早期退職してしまうケースも多いようですので、事前に少しでもインフラエンジニアや必要なスキルについて勉強しておくことをおすすめします。

<デメリット>
■スキル習得には、努力が必要
何度もお伝えしている通り、インフラエンジニアには幅広いスキルが必要となりますので、職務時間以外にも努力して勉強しないと、スキルアップや年収アップをすることが難しいでしょう。「そもそもITの勉強に興味を持てない」「業務時間以外に勉強などしたくない」そんな方には、向いていないかもしれません。少なくとも最初の数年間は、基礎固めやスキルアップのためと割り切り、毎日30分~1時間程度勉強できれば、数年後にはしっかりとしたスキルと知識を持ったエンジニアになっていることでしょう。

■夜勤や深夜作業が発生する可能性がある
インフラの運用・保守の仕事は、24時間必要なものですので、必然的にシフト勤務で夜勤が発生する可能性があります。女性エンジニアや子育て中の社員は夜勤を免除されている企業もありますが、面接の際にはしっかりと確認しましょう。

また、インフラ構築業務は、システムへの影響が少ない夜間に行われることが多いため、深夜に作業をせざるを得ないケースもあります。企業のホームページなどで「システムメンテナンスのため、〇月〇日の深夜2:00~5:00はサービスを停止いたします」といった案内が出ていることがよくありますよね。その時間帯に、何かしらのインフラ整備が行われているのです。

また突然のトラブル対応で、深夜まで作業をしなければいけないといったことも起こりえます。深夜作業をした分、翌日は休みになることも多いので、子どもがいるなどどうしても夜は働けないという方以外は、それほど大きな問題ではないかもしれません。

■職場は、男性社会である
IT業界は女性より男性が多い職種ですが、インフラエンジニアも例外ではありません。職場の9割程度は男性で占められていることが多いので、男性ばかりの環境で働くのが苦手という女性には、辛い職場環境となる可能性があります。半面、女性であることで、極端に言えば「ちやほやされる」ことも多いですので、女性ばかりの環境の方が疲れてしまうといった方には働きやすいかもしれませんね。

まとめ

インフラエンジニアについて、仕事内容やおすすめの資格情報など見てきました。決して花形の派手な仕事ではないけれど、インフラエンジニアがいなくては、この世界のITサービスは成り立ちません。またインフラエンジニアの技術によって、安定したサービスを供給することができ、企業の発展に貢献することができますので、誇りをもって働くことができるでしょう。経験を積み、優秀なインフラエンジニアになれば、国や一流企業の大きなプロジェクトに参加して、スケールの大きい仕事ができるかもしれません。未経験でも目指しやすいエンジニアでもありますので、興味を持たれた方はまずは一つの資格取得を目指して勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

目次