デザイナーの年収ってどれくらい?キリからピンになるためのポイントとは?
クリエイティブな仕事だと言われるデザイナーですが、いったい、その年収はいくらなのでしょうか。
将来、自分のセンスを活かしてデザインをする仕事につきたいと考えている方に、デザイナーの平均年収や実情、そして高額年収を得る方法について解説していきたいと思います。
厚生労働省が発表!男女別のデザイナーの年収について
デザイナーの年収はいくらなのでしょうか。
厚生労働省が集計しているデータをご紹介していきます。
※厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より作成
上の表からお分かりいただけるように、男性、女性ともに、もっとも多い年収は200万円台となっています。
男性は300万円台が27.1%、400万台が14.8%いますが、女性となると、300万円台は15.6%、400万円台はたった5.2%と低く、さらに100万円台が20%を越すなど、実に8割近くの方が200万円台以下でとどまっていることが分かります。
「それじゃぁ生活がしていけない!」と不安に思う方もいるでしょうが、その代わり、成功したときの年収はサラリーマン給与の平均額、440万7千円を大きく上回ります。
とくに、800万円台、1,200万円台もいることも驚きですね。
※出典:厚生労働省「平成30年給与実態統計調査結果」より作成
年齢別、デザイナーの年収について
ちなみに年齢別でみてみると、以下のようになります。
男女と共に、年齢が進むにつれて年収があがり、55~59歳でピークを迎えます。
そして、その後年齢と共に下降しています。
この傾向はどの職業にも見られるものであり、デザイナー特有のものではありませんが、逆に言うと、現在の年収が低いからといって辞めてしまわずに続けることが大事だということも分かりますね。
※厚生労働省令和元年「賃金構造基本統計調査」より作成
職種別デザイナーの年収について
一方で、デザイナーと呼ばれる職業には、さまざまな職種があります。
たとえば、服飾小物をデザインするファッションデザイナー、商品パッケージやポスターなど、おもに商材や広告のデザインをするグラフィックデザイナー、内装をデザインするインテリアデザイナー、WebサイトをデザインするWebデザイナーなどです。
身につけるもの、見るもの、使うもの、過ごすところ、人がかかわるすべてのことやものにデザインが存在しています。
一頃でいうとデザイナーですが、活躍する分野も必要なスキルも全く異なるように、年収も実は全く異なるのです。
今回は厚生労働省の数字データをご紹介しましたが、次はさきほどあげたように職業別ではどのような年収例なのか、簡単な仕事内容とともに年収をあげるポイントを説明していきたいと思います。
○ファッションデザイナー
服飾小物のデザインをするデザイナーは、一般的なアパレルメーカーやデザイナー会社、ブランドメーカーなどがあります。
アパレルメーカーの場合は平均年収470万円、デザイナー事務所の場合で360万円、ブランドメーカーの場合で380万円、そしてその他ファッション業界の場合は350万円と、アパレルメーカーの場合がもっとも高額となります。
○インテリアデザイナー
すでにある建物や建築したばかりの建物に関して、家具や照明、雑貨などの選び、部屋全体をデザインするお仕事です。
インテリアデザイナーは正社員の平均年収で419万円。また、パートでの募集も多く、その場合は時給換算で1,101円となります。
給与には地域差があり、東京では474万円であるのに対し、大阪では99万円低い375万円となっているのも特徴です。
○建築デザイナー
建物をデザインするお仕事で、建築士とも呼ばれています。
難易度の高い国家資格を習得する必要があるため、専門学校や建築科のある大学に通うことが一般的です。
戸建てなどの一般の建物を主に設計する2級建築士でも合格率は2割程度で、ビルなど大きな建物を設計する1級建築士ともなると合格率はその半分の1割です。
その分、専門性の高い仕事となるので、就職先は多数あるとともに、平均年収は2級建築士で480万円、1級建築士で644万円と高額年収が期待できます。
○グラフィックデザイナー
商品パッケージや宣伝に使うポスター、雑誌の記事など、一般の人が目にするさまざまな対象物のデザインを行うお仕事です。
ありとあらゆるものにデザインが含まれているのでお仕事は多数ありますが、大きなプロジェクトを請け負うような立場なのか、定期的につくる、慣例的なもののデザインだけを任されるのかで、その年収は大きく変わってくると言えるでしょう。
平均年収は約433万円で、パート・アルバイトの場合は1,014円となります。
派遣という形での仕事もあり、その場合は1,729円となります。
上で説明したように、その手がけるプロジェクトの大きさ、種類によって大きく開きが出やすいと言えます。小さなデザイン会社などの場合は年収が200万円台ということもしばしばです。
○CGデザイナー
デッサンをもとに2DCGや3DCGを作成するお仕事です。
商品パッケージに使われたり、記事やWebサイト、取扱説明書やゲームなど、さまざまなところに使われるため、仕事は豊富にあると言えます。
平均年収は300万から500万と開きがあります。
一般的に複雑な3DCGを担当するほうが年収が高くなる傾向にあります。
正社員としてだけでなく、パートやフリーランスなどとしても働くことが可能です。
○Webデザイナー
Webサイトをクライアントの目的や希望にしたがってデザインするお仕事です。
大きな組織の中ではWebプロデューサーやWebディレクターなどの指示のもと、コーダー、イラストレーターやCGデザイナーなどとともに、Webサイトのデザインを行っていきます。
小さい会社で行う場合は、Webデザイナー自身がクライアントとの打ち合せやコーディングを行うこともあり、その業務範囲は勤務する企業規模やプロジェクトの予算により大きく変わってくると言えるでしょう。
Webデザイナーの平均年収は350万円ですが、これは、小さな会社やパートなどで働く場合は月額の給与が20万程度に抑えられてしまうことが多いためです。
大手広告代理店などであれば450万円ほどになると考えておきましょう。
なお、業務委託での募集も多いのでフリーランスとしてやっていくことも可能です。
年収アップ、キリからピンになるためのポイントとは?
今回は、デザイナー全体の平均年収だけでなく、職業別の年収もご紹介してきました。
クリエイティブな仕事のわりに、サラリーマンの平均年収よりも低いケースが多いことに驚いた方もいるかもしれませんね。
では、デザイナーという職種において、どのようにすれば年収をあげることができるのでしょうか。
最後に、そのポイントだけ説明させていただきます。
○スキルを磨く! 厳しい環境に身を置くこと
朱に交われば赤くなる・・・という言葉がありますが、環境によって、成長度合いは全く異なってきます。
安価なデザイン料を売りとしていて、毎回、同じようなデザインだけを行っている企業で働いていては、新しいことを学ぶのはもちろん、スキルをアップすることは難しいでしょう。
最初はアシスタントとして雑用ばかりだったとしても、先輩が厳しくても、優秀なデザイナーがいる、名の通ったデザイン会社、広告代理店で働くことが重要です。
ただし、クライアントも大手が多く、求められるクオリティも高くなります。
この広告にはどのフォントなのか、どのフォント数なのか、文字をどこにいれるのか、色の選択肢はもちろん、その濃さなどにもこだわって、上司やクライアントに納得してもらうことが求められるので、そのように1つのデザインにこだわることにより、どんどんスキルアップにつながるはずです。
あえて厳しい環境に身を置くことが年収アップの近道となることでしょう。
○デザインだけじゃない、他のスキルを磨け
デザイナーはデザインするのが仕事ではありますが、何のためのデザインなのかということを常に考えてデザインするべきですよね。
購買意欲を促進するものなのか、イメージアップを狙うものなのか、それによってデザインは変わるはずです。
ほかにも対象とする世代や、その業界の動向、ライバル企業の方針などについてしっかりと調査し、ターゲットに適したデザイン、他社と差別化されたデザインを提案することを目指すが重要です。
言ってみれば、コンサルティングといった役割です。
単に言われた通りにデザインするデザイナーではなく、調査や提案などのコンサルティングができるデザイナーになれば、年収1,000万円は夢ではないと言えるでしょう。
また、著作権についてルールを守ったうえで、自分の作品をSNSやポートフォリオなどを通してアピールし、より高額報酬のオファーを受けられるよう自己プロデュース、自己PRすることもひとつの手です。いずれにせよ、デザイン以外のスキルを磨くことが大事だということですね。
今回は、デザイナーの年収について、男女別、年齢別の平均値や職種別の数字を見てきたと同時に、年収格差が出やすいデザイナーという職業において、キリからピンを目指す方法についても解説して参りました。
センスを活かしてデザイナーになりたい、クリエイティブな仕事をしたいと考えている人が多いと思いますが、厳しい環境のなかデザインのスキルアップを図ったり、それ以外のスキルを磨き自分の価値を高めたりチャンスを獲得する努力をすると、高額年収を得られるデザイナーを目指せるはずです。