エンジニアのなかでも高収入?ネットワークエンジニアの年収について解説
IT系エンジニアのなかでも、ネットワークエンジニアはおすすめの職業だと言われています。なぜなら、ほかのITエンジニアと比較し年収が高いと言われているからです。
そこで今回は、そのネットワークエンジニアの平均年収やお仕事内容などについて迫ってみたいと思います。
ネットワークエンジニアの平均年収
ネットワークエンジニアの平均年収は700万程度です。どのような規模の仕事をするのか、経験はどれくらいあるのかなどによって変わってきますが、サラリーマンの平均年収は436万程度なのでかなり高額となっています。
ただし、20代、30代などまだ経験が浅い場合や、同じネットワークエンジニアでも比較的簡単な仕事内容の場合は、年収は400万台ということもありえますが、経験があるのであれば500~600万円以上、ネットワークシステムの企画など上流工程に携わるのであれば700万円以上、さらにそれが大規模システムであれば1,000万円などという年収がオファーされることもあります。
いずれにせよ、ほかの職業と比べると高額です。
だからこそ、IT系の仕事をしたいけど、どんな道に進もうか迷っているなんて方には、ネットワークエンジニアがおすすめと言えるのです。
ネットワークエンジニアとは?
では、ネットワークエンジニアの仕事とはどんなものなのでしょうか。
一言でいうと、ネットワークを組んだり管理・運営するお仕事です。
ネットワークとは、同じ建物内、場合によっては離れた所にあるパソコン同士をケーブルや無線などの方法により接続し、相互に情報をやりとりできる状態のことであり、さらに公共回線であるインターネットに接続するように組むのが基本です。
小さな企業であれば、1つの建物内、しかもワンフロアにおさまりますが、大きくなるにつれてフロアが複数にわたったり、パソコン台数が増えたりしますし、大きな企業になると本社と支社、工場などと複数拠点で情報を共有することが必要なので、より複雑なネットワークとなるので、高度な知識が必要になります。
しかも、企業だけでなく、市役所や学校などの公共施設でもネットワークを組んでおり、その業種や状況に応じたネットワーク設計や管理方法が求められます。
ネットワークエンジニアのお仕事
ネットワークエンジニアのお仕事はおもに3つのジャンルに分けることができます。
1:ネットワーク設計
新しくネットワークを設計するお仕事です。
あくまで、クライアントに合ったネットワークの提案を行わなければならないので、まずは、クライアントの業務内容の把握から行います。
たいていは、企業側の担当者からヒアリングを行い希望に添った形を提案しますが、場合によっては、同業、または似通った業態の設計の経験からアドバイスを行います。
接続する機器の台数や想定される通信量を加味して、ルーターなどのネットワーク機器の選定や数、回線の太さなどを決めていきます。
もちろん、設計だけでなく、設置にかかる費用の算出、維持コストにいたるまでも説明を行いますので、営業的な要素もあると言えるでしょう。
そして、クライアントが無事納得し、契約となったら導入スケジュールを決め、施工手配までを面倒見るのが一般的です。
なお、インハウスのネットワークエンジニアであれば、最初は自社の設計に携わったあと、これから説明する運用・保守などの仕事も担当するオールラウンダーになることがほとんどです。
2:ネットワーク構築
設計者の仕様書に基づき、実際にネットワークを構築していきます。
設置や設定等を完了したら最後にテストを行い、問題がないのを確認して終了となります。
なお、かかる期間は規模によります。
小さなネットワークであれば、1日~2日で終了するでしょうし、ビル複数階にまたがったり、大きな工場や100台以上のパソコンが並ぶカスタマーサポートセンターだったり、離れた拠点ともつなげる大規模ネットワークであると、数ヶ月に渡ることもあります。
3:ネットワーク運用・保守
ネットワークが完成し日常業務が開始されたあとも、機器の故障などで通信トラブルが発生する場合があります。
そのため、通信トラブルを解決するために駆けつけたり、そうならないよう24時間監視したりすることもネットワークエンジニアの仕事の1つです。
通信トラブルにより業務が停滞するだけでなく、大損害が発生するケースや、一般のお客様にも迷惑をかけるような内容であれば、迅速に原因を見つけ出し復旧をはかる必要があります。
そのため、監視や定期点検などという仕事だけであれば、そう高度な知識は求められませんが、トラブル対応の場合は、ネットワーク自体の知識だけでなく、原因の切り分け方法や対応方法についての知識などが必要ですし、さらには、作業者への適格な指示、クライアントへの真摯な対応などコミュニケーション能力も必要とされると言えるでしょう。
なお、1のネットワークの設計など上流工程を扱える場合は、高額年収となる可能性が高いです。
一方で、ネットワーク監視や保守しかできないとなると、下流工程となるので、同じネットワークエンジニアでも年収は低くなる傾向にあります。
ネットワークエンジニアに必要なスキル
ネットワークエンジニアにはどのようなスキルが必要でしょうか。
とくに、高額な年収を得るために習得しておきたい5つのスキルをご紹介していきます。
1:上流工程をあつかえるよう知識を増やす
下流・中流工程だけでなく、上流工程に携われるような知識や経験を習得しましょう。
2:提案型の設計を行う
クライアントから要望を聞くだけでなく、業界、業務内容の研究を行い、急激なアクセス増によるダウンや、その他想定される問題の説明、そのためのネットワーク案を出すなど、提案型の設計を行えるようにするとさらに年収アップにつながります。
3:プレゼン力・営業力をつける
せっかく良い案を出しても、クライアントに納得してもらえないのでは意味がありません。
相手に分かりやすく説明する力、ネットワーク構築による所属企業の利益を最大化するためにもプレゼン力、営業力を身につけると、年収アップにつながるでしょう。
4:コミュニケーション能力を身につける
大規模な新規のネットワークを請け負う場合、サーバーエンジニアなどと協力しあって設計・施工する場合があります。
クライアントのために、安全で安定した通信を実現するため、サーバーエンジニア、場合によってはセキュリティエンジニアなどと一緒に仕事をすることになります。
また、実際に運用が始まったあとにシステム障害が発生した際に、ネットワークが起因ではなく、プログラムや設定側の問題の場合は、彼らに対応をお願いしないといけません。
そのときにも当然、コミュニケーション能力が必要となります。
5:総合力を身につける
ネットワークエンジニアでありながら、セキュリティの知識、サーバーの知識などの周辺知識があると、総合的なアドバイスができるようになります。
ネットワーク機器だけでなく、サーバーなどのハード面の知識、OSやアプリなどソフト系の知識があれば、より強みをもつことになります。
そしてインフラ全体を統括するインフラエンジニアとして活躍することが、年収をアップさせるひとつの方法でもあるのです。
6:新しい知識は進んで身につける
従来はハード機器の設置でネットワーク構築を行うのが当たり前でしたが、最近ではソフトウエアの設定から、1つのネットワークの機器を複数に見せかけたりといったSDN(Software-Defined Networking)技術が浸透しつつあります。
これによりネットワークの生産性をあげたり、ネットワーク障害を最小限に抑えたりすることが可能になります。
そういったプログラミングスキルなどを進んで取り入れることが、ネットワークエンジニアのなかでもスペシャリストという存在になれるのです。
ネットワークエンジニアにむいている人
ネットワークエンジニアは理系でないといけないというのは間違いです。
文系出身者でもネットワークに関する知識は十分学ぶことが可能ですし、プレゼン力やコミュニケーション能力が必要という点においては、文系の得意とするところと言えると思います。
ITに興味がある、新しいことを学ぶのが好きである、知識を活かして人や企業経営の役に立ちたいなどといった性格の持ち主であれば、ネットワークエンジニアにむいていると言えます。
ただし、ネットワークを組んだ後も保守を担当し、障害がおきた場合には原因の切り分けやトラブル対応をしますので、面倒見が良かったり責任感が強いというところも重要です。
ネットワークエンジニアになるには
ネットワークエンジニアになるためには、とくに専門の学校を出る必要はありません。基本的な単語などはインターネット上で簡単に調べることは可能ですし、オンラインスクールで講座を受講することが可能です。
未経験でも可としている求人もあるので、まずはその世界に飛び込み、現場で経験をしながら覚えていくということも十分可能です。
なかにはオンラインスクールで就職先を紹介してくれるところもありますので、うまく利用していきたいところです。
また、国家資格である「ネットワークスペシャリスト」や「シスコ技術検定」などといった資格を取得することもおすすめです。
資格取得にあたり学んだ知識がネットワークエンジニアとしてやっていく基礎となるとともに、就職に有利に働くと言えるからです。
今回は、年収が高いと言われるネットワークエンジニアにおける平均年収や必要なスキルなどについて解説をしてきました。
IT系を目指したい、年収の高いエンジニアになりたいといった方々の参考になれば幸いです。