未経験でもなれる?IT系職種一覧とお仕事内容について
「就職するならIT系」、そう言われるほど、IT系は人気の分野になりました。
その理由には「将来性がある」「イメージがかっこいい」といったことが挙げられると思います。
I正社員の産業別賃金で、もっとも高いのは「教育・学習支援業」の39万9千円ですが、IT系は38万6千円であり、2番目に高額な分野となっていることも理由のひとつといえるでしょう。(厚生労働省 平成30年賃金構造基本統計調査より)
IT系業種にはどんな種類がある?
一言でIT系といっても、業種に違いがあります。
職種を説明する前に、おおまかな業種を紹介していきます。
○インターネット・Web系
インターネット、Web業界と一言でいってもさらに幅広い分野に分かれています。
Webサイトを制作する企業に始まり、起業向けにインターネット広告を提供する企業、さまざまな企業やサービスの情報を集めたポータルサイトの運営企業(検索機能を提供する『Google』や『Yahoo』も含みます)、『LINE』や『Facebook』などのSNSを提供する企業など、BtoB、BtoCどちらの企業も含まれます。
また、最近利用者が激増している『メルカリ』やGAFAの一員である『Amazon』などのEコマース事業も、こちらに含まれます。
この業種は、IT業界のなかでも、皆さんに身近な企業が数多くあると言えるでしょう。
○情報処理系
情報処理系は、主に、企業のためのシステム開発など行うソリューション事業社のことを指します。基本的にはBtoBのサービスとなるので、一般人には馴染みのない企業が多いですが、『富士通』や『NTTデータ』など、皆さんがご存じのような企業もあります。
なお、業界では「システムインテグレータ(Sler)」と呼ばれています。
○情報通信系
固定電話や携帯電話など通信サービスを提供する企業です。『NTT』や『KDDI』、『NTTドコモ』『SoftBank』などがこちらに入ります。
そのほか、放送業や情報サービス業、映像、音声制作業も含まれるので、『フジ・メディア・ホールディングス(フジテレビなどを運営)』や『エイベックス』『ジュピターテレコム(J:COM)』などがあげられます。
○ソフトウェア系
ソフトウェア系の企業には皆さんが使用しているようなパソコンやスマートフォンなどのOSやアプリケーションを制作する企業が入ります。また、汎用ソフトだけではなく、クライアントからの要望を聞き、その企業のためのソフトウェアを開発することもあります。
『Microsoft』といった世界的企業やウィルス対策ソフトを提供している『トレンドマイクロ』などが挙げられます。
○ハードウェア系
ハードウェア系には、パソコン自体や、パソコンに内蔵されているハードディスクや、メモリなどを制作している企業が入ります。
以上のように、IT業界と一言でいっても、ひとくくりにはとてもできないほど、さまざまな種類があることが分かりますね。
ただし一般的にIT系のお仕事と言うと、皆さんはエンジニアを目指されていることでしょう。
技術や知識をもって、高度なITサービスを提供するエンジニアは、IT系の仕事の中でもよりプロフェッショナルで年収が高そうな印象ですね。
そこで次は具体的に、そのIT系エンジニアや、エンジニアに近い職種について説明していきます。なお、年収については2020年12月の求人情報による例であり、変動的なものとご理解ください。
Webデザイナー~インターネット・Web系のエンジニア~
皆さんが見ているWebサイトは、それぞれ、配置や色使い、できること、全て違いますよね。Webサイト1つ1つにデザインがあると言うことです。
そのデザインを行っているのがWebデザイナーです。
ホームページ(Webサイトの一番最初のページ)に、なにをどのように載せるのか、この情報は、ボタンをクリックして行ける別のページにのせるなど、配置やページ構成をデザインします。
必要となるのは、デザインを行うのに使用するソフトウェアです。一般的にはAdobeが提供する Illustrator®やPhotoshop®、XD®などといった、視覚的にデザインを分かるようにする描画系ソフトウェアです。
クライアントの望むことをクライアントに分かる形で示し提案するお仕事なので、コミュニケーション能力が必要であるとともに、実現性のあるWeb制作が必要であるため、コーディングに対してもおおまかな理解が必要です。
活躍の場は、Webサイト制作会社や広告代理店ですが、なかには自社のWebサイトだけを担当するインハウスデザイナーとして従事される方もいます。
また、小さな企業の場合デザインだけでなく、Web制作までを行うコーダー兼務のWebデザイナーも多いです。
年収は社員で330万円~、コーダーやクライアントとの打ち合せや企画から行うディレクターを兼ねると400万、500万円といったものがありました。
在宅ワークでの業務委託では、時給で1,200円というものが多いです。
※ママワークス
コーダー~インターネット・Web系のエンジニア~
Webサイトを実際に製作するために、Webサイトを構成するコードを打つのがコーダーです。おもに、htmlやCSS、JavaScriptといったコードを使うので、こういう画面や動きを
つくるには、どうやって記述すれば良いのか、分かっておく必要があります。
さきほど紹介したデザイナーより、エンジニアといった側面が強いです。
とはいえ、Webデザイナーとの連携が必要なので、コミュニケーション力も必要です。
活躍の場は、Webサイト制作会社がほとんどですが、インハウスのコーダーもいます。
また、在宅での仕事も多く、フリーランスで活躍する方も多いです。
ただし、単純にコーディングのみとなりますと、求人は限られるほか、在宅で行う場合の報酬額は低めの傾向にあります。
たとえば、正社員枠でのコーダーを探してみると、年収300万円~といったものが多いです。上限は、450万、500万、680万円とばらばらでしたが、未経験の場合は確実に最低金額からのスタートと考えられます。
ちなみに派遣社員の場合は、時給で1,700円~でした。
一方、業務委託の在宅ワークの場合1,000円~とエンジニア系の時給としては低めのものもありましたが、社員と同様、スキルや経験によって高額な案件を受注できるとともに、子育てや介護等、なにか事情がでて社員を続けられなくなったときでも仕事が得られるのはポイントと言えるでしょう。
※ママワークス
システムエンジニア~情報処理・ソフトウェア系のエンジニア~
企業内のシステム設計を請け負います。
クライアントからヒアリングを行い、どのようなシステムが必要なのかを把握したうえ、要件定義、設計書作成を行います。
ここでしっかりとクライアントの要望を反映すること、齟齬がないようにすることが重要です。
実際にシステムを組むのはプログラマーです。
そこで今度はプログラマーにむけ、詳細を記した設計書を作成します。
納期どおりに終わるよう進捗管理をしつつ、完成後、設計通りに動くかどうかのテストを実施します。問題があれば修正指示を行い、無事完成したら導入し完了です。
なお、それ以降の運用・保守は専属担当に任せる場合もありますが、何かトラブルがあった際に担当する場合もあります。または、企業に提案書をもって営業をかけるなどの役割を求められる場合もあります。
所属する企業の業務内容や規模で変わりますので、単純にシステムエンジニアといった文字だけではなく、どのような業務になるのかしっかり見て選択するようにしましょう。
活躍の場はSler系企業ですが、業務委託での案件もあります。
業務内容やレベルが企業によっても大きく変わるため、年収は具体例で、20代で400万円と書かれているものと、600万円と書かれているものと差があるのが実態です。
全体的に高額となっているものは、プログラマーとしての経験がある場合だったり、システムエンジニアでもリーダーなどのポジションだったりと、ある程度経験や実力がある場合に限られます。
しかし逆に言うと、幅広い知識をつけたり、引っ張っていける指導力を身につければ、若くても高額年収を得られる職種と言えるのです。
プログラマー~情報処理・ソフトウェア系のエンジニア~
システムエンジニアの設計書にしたがい、実際にプログラムを書いていくのがプログラマーです。
設計書はあくまでおおまかな指示なので、それをどのようなコードで書くのかはプログラマーが考えます。
納期がありますから、短い時間で仕上げる必要があるうえ、目的を達成するために、いかに簡潔なコードを書けるかが重要なポイントになり、プログラマーの腕の見せ所と言えます。
似たような案件を数多くこなし経験を積むことからスピーディな対応ができたり、新しい知識やトレンドを積極的に取り入れていくことが、プログラマーとしての価値を高めていきます。
また、複数のプログラミング言語を習得するといったことも高額年収を得る方法の1つとも言えます。
年収は社員で400万円~、20代でも500、600万円といった参考値も掲載されており、システムエンジニアと同様、スキル次第で年収アップが期待できると言えそうです。
ネットワークエンジニア~情報処理・情報通信系のエンジニア~
企業内で使用するパソコンやサーバーなどのネットワークを組むのがネットワークエンジニアです。企業の規模により必要な機器は異なります。クライアントにとって最適なサーバー、ルーターなどのネットワーク機器、回線の設計をします。
場合によっては離れた別の事業所との専用線も必要となるなど複雑化します。
ほかに、サーバーにかんする知識や、セキュリティにかんする知識を加えると、ネットワークエンジニアのなかでも、上級エンジニアとして高額年収が期待できるでしょう。
また、ネットワークの開発ではなく、監視、運用面を担当するネットワークエンジニアもいます。その場合は、トラブル発生時にいかにスピーディに対処できるかが重要になります。
年収は400万円~ですが、20代でも500万円といった実例も多いほか、なかには経験10年で800万、900万円といった実例も。
一般的にネットワークエンジニアは高年収と言われていますので、年収を重視する方は狙い目と言えるかもしれません。
サーバーエンジニア~情報処理・情報通信系のエンジニア~
ネットワークの要、サーバーの設計や構築を行ったり、構築後の運用、保守を担当するのがサーバーエンジニアです。
クライントの業務内容を把握したうえ、設置場所、通信速度や電源容量を考慮したうえ、最適なサーバーの設計を行います。
大規模なものであればネットワークエンジニアなどとともに協力してすすめていきますし、全体のコストにも気を配る必要があります。
また、設計だけでなく実際に設置をしたり、配線をつないだりといったことも行うことが多いです。設置後は、OSのインストールや設定などを行い、クライアントに引き渡しを行います。
一方でサーバーの運用や保守を担当するお仕事もあります。
障害が起きた場合で、サーバーに原因がある場合は障害の原因を探り迅速に対処をしていきます。
そもそも、原因のひとつとなりうる負荷にかんしては事前に想定のうえ設計する必要がありますし、トラブルが発生しないようサーバーの状態を監視し、必要なメンテナンスを行うことが、サーバーエンジニアにとっては最も重視される業務です。
年収はネットワークエンジニアと同様、400万円~ですが、500万、600万円といった実例が多く見られるほか、800万、900万円といった実例もあります。
しかしその場合、インフラエンジニアとしてネットワーク全体を見ることができたりするなど、多方面での知識、経験があるといったケースが多いです。
ネットワークエンジニア同様、サーバーだけでなく、ネットワーク、セキュリティなどを含めた幅広い知識を得ることを目指すと良いでしょう。
セキュリティエンジニア~情報処理・情報通信系のエンジニア~
企業のサーバーやデーターベース、端末を守るためのセキュリティを管理するのがセキュリティエンジニアです。
重要方法や顧客情報の流出はいまや企業にとって最大のリスクの1つですから、進化するサイバー攻撃に対して防衛策を講じなければなりません。
新規でネットワーク設計にかかわる場合もありますが、現在のネットワークの状況、セキュリティレベルを確認しながら、必要な対策を説明し、実装を行います。
最近では大企業だけではなく、中小企業も対象となりつつあり、その存在意義は増すばかりですし、年収も、500万円~800万円と高額な求人が多いです。
データサイエンティスト~情報処理系のエンジニア~
企業の運営方針を決めたり、マーケティングを行ううえで重要となるのがデータ分析です。
どのようなデータを、どのように集めるかが重要になるうえ、データを実際に読み解くスキルも必要です。
その手助けをするのがデータサイエンティストです。
ヒアリングによりクライアントの課題を把握し、要件の定義、抽出の仕組み、データ分析まで行うエンジニア兼コンサルタントといった役割です。
幅広い知識が必要であり難易度が高いうえ、学べる場所は限られています。
希少価値があるぶん、年収700万円~1,000万円などと高額な年収が用意されている場合が多いです。