これからのノマドワーカーとは?テレワーク時代における持ち物や働き方について解説
テレワークという働き方が当たり前の時代になり、ひととき話題をさらったノマドワーカーという働き方も再び注目を浴びると考えられます。
そこで今回は、このノマドワーカーについて改めて解説するとともに、どのような持ち物を準備したら良いのかなどについて説明していきたいと思います。
ノマドワーカーとは?
ノマドワーカーとは、特定の場所ではなく、さまざまな場所を転々としてお仕事をする人たちのことを指します。
そもそも「ノマド」とは英語で遊牧民を意味する「Nomad」からきています。
その遊牧民という言葉から想像すると、よりイメージが湧きやすいのではないでしょうか。
企業の事業所に通勤しているが、たまに出張で外に出たり、一時的に別事業所に転勤しているといった方はノマドワーカーとは言いません。
完全に決まった場所を持たず、この日はコワーキングスペース、この日はカフェなどと、転々と移動する働き方をしている人たちをノマドワーカーと呼んでいるのです。
▼テレワークとリモートワークとの違いについて
ノマドワーカーの働き方は、テレワークやリモートワークといった働き方とは、遠からず近からずといったところです。
テレワークは「tele(離れた)」という言葉からきており、離れた場所で仕事をするといった意味になるので、事業所と離れたところで仕事をしているノマドワーカーは、テレワークしている状態になります。
リモートワークも、「Remote(遠い、遠く離れた)といった意味なので、同じことが言えますね。
つまり働き方のくくりで言えばこの3つは同じ分類となりますが、テレワークとリモートワークは、事業所とは離れているがその働く場所についてとくに何の言及もしていないのに対し、ノマドワーカーはまさに遊牧民のように「場所を移動する」といった働き方に限定されていると言えるでしょう。
ノマドワーカーが再び注目を浴びる理由
そもそもノマドワーカーという言葉は今から10年ほど前に使われだした言葉です。その後はとくに頻繁に使われたり、日常的な言葉として多くの人に定着したといったことはありませんでしたが、テレワークという働き方が一般企業に広まるにつれ、再び注目を集めていくと考えられます。
テレワークも、自宅で仕事をする在宅ワーク(在宅勤務)といった形が主流です。
しかし、住宅事情の問題で、自宅で仕事をすることの難しさを感じている人が少なくないといった状況があります。
小さなお子さんがいる家庭や、夫婦でテレワークをしている場合などは、仕事スペースの確保は簡単ではありません。とくに都心部、マンションなどに住んでいる場合は頭が痛い問題と言えるでしょう。
であれば、ノマドワーカーになるといった選択肢をとることは問題の解決策となりえます。
フリーランスの方も同様です。
アニメ制作会社などで働くイラストレーターや保険外交員などといった一部の職業の方以外は、もともと通勤すべき場所がないので、自宅勤務か、ノマドワーカーといった選択肢となるでしょう。
ノマドワーカーのメリットとデメリット
ノマドワーカーには以下のようなメリットがあります。
【メリット1】満員電車を避けられる
ノマドワーカーは働く場所が自由なので、わざわざ満員電車に乗るような場所を避けることが可能です。
歩いてける近所のカフェでも構いませんし、図書館でも構わないからです。
場合によっては、混まない下り方面にあるカフェでもいいですし、思い切って車で地方にある温泉旅館で仕事をするなんて選択肢もあります。
【メリット2】服装が自由
通勤する必要がないので、仕事の用で人と会う、ビデオチャットを使った打合せをするといった事情がない限りは、服装や髪形も自由です。
スーツ代も節約になりますね。
【デメリット1】お金がかかる
カフェやホテル、コワーキングスペースなどは場所代や飲食代としてお金を払う必要がありますから、当然コストがかかります。
【デメリット2】信用度が落ちる恐れがある
フリーランスで働くとして、きちんとした事務所を持っていないと信頼をしてもらいにくく、仕事を受注できない恐れがあります。
ノマドワーカーの必須持ち物とは
ノマドワーカーとして働く場合、どういったものを揃えれば良いかについて説明していきます。
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1:ノートパソコン
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ノマドワーカーにもっとも重要なのはパソコンです。
「そんなの誰でも持っている」と思われる方もいるかもしれませんが、ノマドワーカーの場合持ち歩くことを前提としていますので、以下のようなパソコンである必要があります。
———–選びたいパソコンのポイント—————
【大きさ】
厚いとかさばるので、薄めのモバイルタイプがおすすめです。イラストレーターやCGクリエイターなどデザイン系のクリエイター以外なら、モニターの大きさは小さいほうが良いでしょう。とはいえ、視認性が悪いと仕事をしにくいので、少なくとも11インチ以上、13インチ以下がおすすめです。
【重さ】
当然軽いほうがおすすめです。重いと持ち運びに苦労します。
あくまで目安ですが1kg程度のパソコンであれば持ち運びはかなり楽です。
少なくとも1,3kg以下を目指すと良いでしょう。
【モニター】
光沢がないノングレアタイプのモニターがおすすめです。光沢があると動画やイラストはきれいに見えるというメリットがありますが、場所によっては日光や電気が反射して見えにくいので、仕事をする場所や状況が変わるノマドワーカーには、反射しない非光沢タイプがおすすめです。
【バッテリー】
電源が確保できない場所で仕事することも多いので、バッテリーが長持ちするタイプのものがおすすめです。
クライアントとなる企業にプレゼン中に突然バッテリーが落ちてしまったり、電源を借りるなんてことは避けたいからです。
少なくとも10時間程度持つものを選びたいところです。
【ハードディスク(SSD)の容量】
容量が大いに越したことはありませんが、万が一パソコンが破損してデータが取り出せなくなるといったことを考えると、クラウドサービスの利用がおすすめです。利用する場合は、容量にこだわる必要はないと言えます。
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2:モバイルルーター
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モバイルルーターを持ち歩くのが、ノマドワーカーにとっては基本中の基本と言えます。
あらかじめネット環境が整備されているコワーキングスペースやレンタルオフィスなどでない限り、自分でインターネット通信を確保しなければならないからです。
また、当然ですが、モバイルルーターだけでは通信できないので、通信会社との契約が必要です。
どのような通信会社やサービスがあるのかは、次項で説明していきます。
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3:モバイルバッテリー
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移動することが基本のノマドワーカーの必須アイテムと言えるのがモバイルバッテリーです。
スマートフォンの電池がなくなる可能性があるからです。
パソコンと同様、いざというときにスマートフォンのバッテリーが切れたら大変です。
そのために予備のバッテリーとしてモバイルバッテリーは1つ携帯しておきたいものです。
お値段は2,000~4,000円程度。重さは軽い物で200g以下、重いものでも400g弱です。
ノマドワーカーであれば、スマホを複数回充電可能な容量20,000mAh以上、もしくは2回分程度の容量10,000mAhのものを用意すると良いでしょう。
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4:ビジネスバッグ
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ビジネスバッグは当然、パソコンや充電器、モバイルバッテリーなどが入る大きさのものということになりますが、ノマドワーカーであれば以下のポイントを押さえておきたいところです。
【形状、大きさ】
マチは広すぎず大きすぎないもの、かつ、大小ポケットがついていて、それぞれのグッズが整理して入れられるものがおすすめです。
たくさん荷物が入るようにと単にマチが広いものを選ぶと、中がぐちゃぐちゃになってしまう恐れがあるためです。
パソコンやタブレットを留めるストラップや充電器、モバイルバッテリー、スマートフォンなどがちょうど入るポケットがあるとすっきりとしますし、いざというときに取り出しやすいのでおすすめです。
【バッグタイプ】
ショルダーバッグタイプかバックパックタイプがおすすめです。
荷物が重くなりがちな方や女性の方は、両肩で背負えるバックタイプにすれば重さを分散することができます。
それぞれ、荷物を背負っていても両手を空けられるのがポイントです。
また、下に置いて自立するタイプであれば、さらに優秀と言えるでしょう。
【素材・色】
素材は水を吸わない、またははじく素材で、汚れにくいものが良いでしょう。
クライアントと会って打ち合せすることがあるなんて方は、色味もカジュアル過ぎないものを選ぶようにしましょう。
なかには、モバイルパソコンやタブレットなどを衝撃から守る機能を持たせたバッグもあります。
ノマドワーカーにあったら便林な持ち物とは
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1:窒化ガリウム充電器
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従来の充電器より小さなサイズであるにもかかわらず、急速充電ができるとして、ノマドワーカーに注目を浴びているのが窒化ガリウム充電器です。
ノマドワーカーの場合は荷物を減らすことが重要ですが、軽量であるうえ、2口タイプであれば、ノートパソコンとスマートフォンを同時に充電可能ということでとても効率的です。
有名なのはANKERやRAVPower、AUKEYといったメーカーです。
お値段も高くても5,000円程度なので、スマートなノマドワーカーを目指すならぜひ手に入れてください。
※出典:ANKER
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2:スタンド
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長時間にわたりノートパソコンを使用して仕事をするノマドワーカーにとって、いかに快適に仕事が出来るかが重要です。
肩がこって頭痛がしてしまっては、仕事に差し支えがありますよね。
そこでおすすめなのが、パソコンの角度や高さを変えるスタンドです。
ノートパソコンの裏に貼り付け使用するときに開いて角度を調整できるといったものです。
非常に薄型なので、収納や持ち運びには影響はほぼありません。
これも、必須アイテムではありませんが、肩こりや腰痛、頭痛などに悩まされている方はぜひ活用してみてください。
※出典:kopek
ノマドワーカーに必須のモバイル通信
ノマドワーカーには必須なのが、インターネット通信ですよね。
当然、通信会社と契約する必要があります。
どういった企業があって、どのようなサービスをしているかについて説明していきます。
⚫UQ WiMAX⚫
※出典:UQ WiMAX
UQ WiMAXのギガ放題プランはなんと月額3,880円で無制限に利用することができます。
モバイルルーターも小さく薄型なので、持ち歩きも便利です。
同時に何個も機器をつなげることもできて、自宅でも十分使うことができます。
以前7GBまでの「UQ Flat ツープラス」(3,696円)サービスもありましたが、現在は新規申込みを終了しています。
ギガ放題プランでは、月額1,005円でLTEをオプションで追加することが可能です。
もともとWiMAXのサービスエリアもかなり拡大されており、主要な建物もカバーされるようになっていますが、エリア的な問題や障害物などが原因でつながりにくいことがあっても、このオプションを申し込むことによりインターネット通信ができないなんて自体を避けることができます。
ただしこちらは7GBまでとなっていますので、無制限で使えるわけではありません。
ランニングコストもあがってしまうので、あくまでノマドワーカーをしていて困ったときのみ、オプション追加をするといった使い方にすると良いでしょう。
※出典:UQ WiMAX
⚫ZEUS WiFi⚫
※出典:ZEUS Wi.Fi
提供エリアを全国に広げているZEUS。
ドコモやau、ソフトバンクといった3大メガスマホキャリアの回線を利用しており、そのとき最適な回線を利用するといった効率的な方法を採用しています。
契約期間や解約事務手数料も無料、無制限で利用できるというプランは月額4,280円です。
ほかに、100GBまでの特盛プランもあり、その場合は月額3,480円(3ヶ月目までは2,980円)となります。
100GBといったらすごい量ですが、+2GB、+5GB、+10GBなどが追加で申し込めるオプションもあるので。万が一超えても安心です。
なお、ルーターは同じく小さく薄型です。もちろん無料でレンタル可能です。
同時接続数も最大で10台。個人で使うのには十分過ぎるほどですよね。
※出典:ZEUS WiFi
ほかにも、テザリングを利用するなどの方法もありますが、ノマドワーカーにはデータ量、速度、使い勝手からして、やはり上記のような方法がおすすめと言えるでしょう。
ノマドワーカーにおすすめスポット
ノマドワーカーはどこで仕事をするのが良いのか、それは、当然、コワーキングスペースなど、ビジネス利用を想定した場所が最適であることは間違いありません。
しかし料金的な問題のほか、いつも同じ場所で仕事するというのでは、ノマドワーカーの意味がありません。
やはり、発想力を豊にするといった意味でも、さまざまなスポットでお仕事をしたいものですよね。
そこでスポット探しでチェックしたいポイントをご紹介していきます。
○電源の有無・・・カフェという位置づけではありますが、電源をサービスしているカフェもあります。モバイルバッテリーを持ち歩くにせよ、どこかで充電をしたいときには、電源サービスのあるカフェをチェックしておくと良いでしょう。
○Wi-Fi環境・・・無制限のモバイルルーターを契約している方以外、つまり○GBまでと制限のあるプランやテザリングなどで仕事をしている方は、Wi-Fiが使えるカフェをチェックしておくことが重要です。長時間にわたり作業をするときは、Wi-Fiが使えるカフェでギガをセーブしておきましょう。
○大きなテーブルと集中できる椅子の有無・・・パソコン、モバイルルーター、資料、スマートフォンなど、さまざまな機器やグッズを利用するノマドワーカーにとって、大きくて使いやすいテーブルは必須です。セットとして、テーブルと椅子が仕事に集中できそうな角度、座り心地かも重要と言えます。
○個室などオンライン会議可能なスペースの有無・・・ノマドワーカーでも、オンライン会議や打ち合せを行う方は、音を遮断できるスペースのあるカフェやコワーキングスペースが欠かせません。周囲がうるさいと相手方に失礼ですし、いくら静かでも打ち合せ内容が周囲の方に丸聞こえではまずいからです。
○コーヒーチケットや割引のあるお店・・・カフェで仕事をする場合、飲物を頼むことが基本となります。しかし、何杯も頼んでいてはコストも馬鹿になりません。コーヒーチケットやマイボトルなどを利用して割引になるところをキープしておくと良いでしょう。
○ランチが安いお店・・・1日外で仕事をするノマドワーカーは、食事代も馬鹿になりません。
安いランチを提供してくれるお店もピックアップしておきたいものです。長居しやすいファミレスなども活用していきましょう。
以上のように、ノマドワーカーの場所選びにはさまざまなポイントがあります。
「打ち合せがあるならここ」「バッテリーが不足したらここ」といった最低条件のほか、「集中したいなら落ち着いたインテリアのこの店」「インスピレーションを感じたいならモダンなインテリアが刺激をくれるこの店」「疲れたときやリラックスしたいなら美味しいスイーツがあるこの店」など、自分なりにリストアップしたり、地域ごとにいくつかお店をピックアップしておくことがおすすめです。
ノマドワーカーの服装について
ノマドワーカーは自由な働き方ができると言われています。
とはいえ、いくら自由なノマドワーカーといえども、オンライン会議を見越して上半身だけはカジュアルすぎないシャツを選んだりといった工夫が必要と言えます。
職種によっては、急にクライアント企業に呼ばれた時を想定し、羽織るだけできちんと感が出るジャケット、しかもシワになりにくい素材を1枚バッグに忍ばせておくと良いでしょう。
靴は群れにくく、歩きやすいスニーカーがおすすめですが、クライアントと合うことのある職業の場合はビジネスシューズ、最低でも黒かグレーのスニーカーを選ぶと良いです。
まとめ
今回は、ノマドワーカーにかんする基礎知識からはじまり、用意しておきたい持ち物や知っておきたい予備知識について解説させていただきました。
テレワークが推進されるにつれ、ノマドワーカーも増える方向になるでしょう。
となると、当然それをサポートする環境作りや技術革新もすすむので、いつでも最新情報をチェックしながら、快適なノマドスタイルで働いていきたいですね。