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【フリーランス必見】知らないと怖い、契約書にかんする知識と注意事項

男性、女性問わず、フリーランスが増えています。
これまで務めていた会社を辞めフリーランスに転向するケースや、子育てが一段落した専業主婦の方が始めるケースなど、そのパターンはさまざまです。
なかには、少しでも収入を増やそうと、企業に勤務しながら副業でフリーランスを始める方もいます。
フリーランスむけの求人サイトやマッチングサイトの登場、ビデオ会議やチャットツールの開発が、企業側や仕事を受けたい側双方の、背中を押す要因ともなっています。
しかし、手軽に始められる反面、軽視されがちなのが契約書問題です。
今回はフリーランスが知っておかなければならない、フリーランスの契約書にかんする基本知識と注意事項について解説していきたいと思います。

目次

フリーランスにとって契約書が大事な理由

フリーランスが仕事を受注するとき、一般的に契約を結ぶことが必要です。1つの企業から継続的な仕事を受けるのであれば1度で済みますが、複数の企業から、または、単発の仕事をいくつか受けるのであれば、それぞれ契約作業が必要となります。
改めてそのようなことを言われると、「契約ってなに?どうやってやるの?」と不安になる方もいることでしょう。
なぜなら、会社員の場合、仕事をするのにいちいち契約を結んでからするといったことがないですし、他社から仕事を請け負うために契約を結ぶときも、会社が主体となり、自分個人に影響が及ぶことはないからです。
しかしフリーランスの場合、主体はあなた自身になりますので、契約が必要であるうえ、その契約内容は直接あなた自身に影響するのです。
もっとも避けたいのは口約束で仕事を請け負うことです。
小さな企業からの依頼で契約書などを取り交わすことなく仕事に手をつけた結果、「不景気でお金が払えなくなっちゃったから、なかったことにして」などと言われて報酬をもらえなくなったり、「ここまでやってくれって言ったじゃない。これじゃぁお金が払えない」などと、請け負う仕事内容に齟齬が生まれてトラブルになる可能性があります。
また、請負う仕事内容によっては損害賠償問題になったりする恐れもあります。
口約束ではなく、しっかりと契約内容を話し合い、決め事は契約書に記しておく必要があるのです。

フリーランスが結ぶ業務委託契約って?

フリーランスの場合、仕事を請け負うのに契約が必要であることはお分かりいただけたと思いますが、具体的にどのような契約を結ぶのかについて説明していきます。

フリーランスの結ぶ契約は「業務委託契約」と言います。
企業内の人員やノウハウでは処理しきれないことから業務を外部に委託するといったときに利用します。
企業にとっては、社内で一から人材を育てる必要がないので時間や労力を節約できるうえ、人員採用によるリスクも避けられるというメリットがあります。
企業が外部委託する際、一般的にはフリーランスとの間に業務委託契約をかわこととなります。
ちなみにこの業務委託契約をはっきりと定義づけたり、細かく規定している法律は存在していません。
しかし、その性質から民法に根拠をもつとされています。
民法は2020年4月に改定されましたが、フリーランスの増加や、業務委託によるトラブルが増えていることが影響したのか、業務委託契約に関連する条文も変更されています。

民法に根拠をもつ業務委託契約には以下の3タイプがあります。

・請負契約
・委任契約
・準委任契約

それぞれ特徴や注意点があるため、自分が委託される内容が一般的にどの契約に適しているのか認識しておきましょう。

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請負契約とは
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民法第632条に記載されている契約です。
委任された業務を完成したら初めて報酬が発生するといったルールです。
大工さんなどの契約やシステムの設計、製作などに用いられることが多いです。

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委任契約とは
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民法第643条に記載されている契約で、法律行為を委任する場合に使われます。
遂行した業務にかんしては必ず報酬が発生します。
その成果の内容は問わず、あくまで敢行した業務にかんして報酬が支払われるのがポイントです。
弁護士や行政書士などの仕事がこのタイプです。

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準委任契約とは
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民法第656条に記載されている契約で、委任する内容は法律行為以外の業務に適応します。
遂行した業務にかんして報酬が発生しますが、委任契約と同様、成果の内容は問わず、敢行した業務にかんして報酬が支払われます。
Webサイトの分析やSEO対策、またスキルアップセミナーの講師業務などに使われます。
Webサイトの訪問率やコンバージョン率をあげるWebコンサルティングの契約を、1ヶ月当たり5万円、期間は1年間で契約したとして、委任した企業が期待したほど成果が出なかったとしても、1年間コンサルティングをしたという事実に対して約束通りの報酬を支払う必要があるというわけです。

契約書に盛り込むポイント

フリーランスが結ぶ業務委託契約には主に3タイプあり、請け負う業務によって結ばれる契約が変わってくるということはお分かりいただけたと思います。
では次に、具体的にどのような項目を契約書に盛り込んだら良いのかについて見ていきましょう。

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業務範囲
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もっとも重要な項目のひとつが、どういった業務を行う契約なのかをハッキリさせることです。
たとえばWebサイト作成の場合、掲載する文言の作成や写真などを含んでいるか、レンタルサーバーの契約、ドメイン契約、サイトの公開作業などといった諸作業も含むのかどうかなどと業務範囲を明記していきます。
掲載する写真ひとつにかんしても、イメージと違うといった理由で、写真撮影のやり直し(カメラマンの手配や写真加工も含む)をお願いされてしまう恐れがあります。
あらかじめ契約内容を決めておかないと、オリジナルのバナー作成やロゴ作成、地図画像の作成、SEO対策などどんどん追加でお願いされて業務が増えていき、契約した料金では割に合わなくなったなんて事態が起りうるからです。
委任側は、Webサイト制作にあたりどのような作業があるのか、またどのような準備をしておくべきなのか、知識がない場合がほとんどです。
したがって、請け負う側のほうで、どういった作業が必要で、ここまでやるプランがいくら、ここまでやるプランはいくらといったように、作業内容ごとの料金プランを用意したり、「自分たちの範囲はここまでだから、こういったことはやっておいてください」といった資料を渡したり、説明を行うことが理想だと言えるでしょう。


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検収方法
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業務によっては、業務範囲を明確化しただけでは足りない場合があります。
たとえばシステム開発を請負い、その業務範囲を、要件定義、開発までとしたとします。
この場合移行作業は含まれていませんのでクライアント側で実施することになりますが、クライアント側としては、きちんと動くかどうか確認までを求めたいところです。
そこで、システム開発がきちんと完了したか確認するためのテストを行うこと、そのテストの内容や回数、そしてどういった結果が出れば完成とするかについても明確に定めておくことが必要です。

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納品期限
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継続的な仕事ではなく、成果物をおさめるといった内容の場合、必ず納品期限は設けるものです。
しかし、納品が遅れると損害賠償の原因の元になり得るので、受任側はとくに無理のない期限となっているか十分検証のうえ契約を結ぶようにしましょう。
なお、完成報告はしたのに、検収がおくれて請求ができないとなることを避けるため、検収の期限についても明記してもらうことが望ましいです。
なお、万が一進捗が遅延したときのために、「遅れがある場合は委任者に速やかにその旨を通知し、新たな納品期限の指示を受けるようにする」などの文言を入れておくとより安心です。

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問題があった場合の対応について
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請け負った業務内容、そして求められた成果に対して、期限日まで至らなかった場合、どのようにするのかルールを決めておくことも必要です。
そもそも、その期限内に求められたレベルのものを出すということが基本ですが、イラストなどの評価基準が曖昧なものだと、「委任側の基準に満たない」「希望していたイメージと違う」などといったケースはよくあることです。
修正依頼を何度もされるとほかの業務にも支障がでるため、修正は3回までなどとあらかじめルールを決めたり、ものによっては、一部減額(支払後は返金)するなど、ルールを決めておくことが望ましいです。
ちなみに専門用語でいうと「契約不適合責任」といい、2020年4月に改正、施行された民法にも記載されています。

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料金、報酬額
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業務内容における料金(報酬額)を決めておく必要があります。
契約書にはずばりその金額を載せる場合と、「仕様書に別途定めたとおり」などとし、詳細を記載しない場合とがあります。消費税の取り扱いや振込手数料の負担の有無や、支払期限にかんするルールについても決めておくことが必要です。

⚫報酬額の決定について
報酬額は、報酬額をあらかじめ決める場合と、1時間あたりいくらといったように算定方法のみ決めておく場合があります。なかには、「売上の30%を相当」などとするケースもあります。

⚫経費について
業務内容によっては経費がかかるものもあるでしょう。
経費がかさむと利益が減ってしまうので「諸経費は別途支払いが必要」などと約束しておくことがおすすめです。

⚫着手金について
着手金をもらうといったような契約にすることも可能です。
報酬の○%などと金額や支払日についても決めておいたうえ、「委任側の都合で途中解約になった場合も着手金は返金しない」などと決め事をしておくことをおすすめします。
もちろん、逆に請け負う側の原因でキャンセルとなった場合は返金するという対応も必要と言えるでしょう。

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著作権
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制作物の著作権にかんして決め事が必要です。
「納品が完了し支払いが行われた時点で委任側に移行する」としたり、「納品後も制作者が著作権を保有する」とするなど、ルールを決めておきましょう。
さらにイラストや写真など二次加工ができるようなものの場合は、より細かく決め事が必要です。
拡大、縮小といっただけでなくアレンジして別のイラストにしたりするなど、さまざまな利用が考えられるので、「想定したものと違ったキャラクターになってしまっている」などとトラブルになる可能性があるからです。
契約時はポスターに掲載するイラストの作成といったものだったのが、SNSなどで人気が出た結果、委任側がそのキャラクターを少しアレンジしてのせたグッズを販売し、莫大な売上を得て揉めるといったケースもあり得ます。

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秘密保持
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秘密保持は業務委託契約のなかでも最も基本的な項目と言えます。
業務で知り得たお互いの情報や秘密について流さないことを約束するものです。

とくに業務委託契約が必要な職種3タイプ

フリーランスの場合、業務委託契約を結ぶのが一般的であり、さきほど挙げたようなポイントを注意しながら契約書を結ぶことが重要であることはお分かりいただけたと思います。
とくに、委託内容は下記のような場合は気をつけると良いでしょう。

・イラストレーター
・グラフィックデザイナー
・Webデザイナー
・コーダー
・プログラマー
・システムエンジニア
・ネットワークエンジニア
・サーバーエンジニア

業務委託契約書に便利なテンプレートやサイト

どのような業務委託契約を結ぶのか、その委託内容によって適したフォーマットは異なりますが、業務委託契約に便利なテンプレートやサイトをご紹介していきます。

◆bizocean「業務委託契約書」の書式テンプレート
https://www.bizocean.jp/doc/category/132/
◆業務委託契約書テンプレート(Word)
https://www.template-sozai.com/template/1061
◆KnowHows【無料】業務委託基本契約書のひな形(受注者有利形式)と契約のコツ│民法改正対応済
https://knowhows.jp/format/detail/20?gclid=CjwKCAiAgJWABhArEiwAmNVTB0h0ZTn7rQuMNsW2Zqv9qleGhrAJwsvzF_U-2G3mL0prMVwQSUX8lRoCDcQQAvD_BwE
◆テンプレートBANK
https://www.templatebank.com/category/outsourcing-contract

まとめ

今回は、フリーランスが知っておかなければならない業務委託契約やその契約書について説明してきました。
業務委託に慣れている企業との契約であれば、契約書を用意してくれるケースがほとんどなので、とくに心配する必要はありませんが、なかには受任者に不利に働くような契約書を作成する恐れがないとも限らないので、契約書はよくチェックするべきだと言えます。
零細企業や個人事業主だと業務委託契約はおろか、契約書作成に知識がないことから契約書を結ばないまま仕事を発注しようとするケースもないとは言えず、トラブルの元となりえます。
フリーランス初心者の場合は、業務委託を多く取り扱う求人サイトやクラウドソーシングなどを利用することで、そういったトラブルを少しでも避けることが可能です。
また、大きな取引となる場合や起業しようと考えているフリーランスの方は弁護士に相談してみるのも良いのではないでしょうか。

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