フリーランスで稼げる? 注目を集めるマーケティングの仕事とは?
昔から当たり前のように使われている“マーケティング”という言葉ですが、いま、マーケティングスキルを使ってフリーランスとして活躍している方がいらっしゃいます。
企業がライバル企業に打ち勝ち成長していくために必要不可欠な、マーケティングのお手伝いをするお仕事ですが、具体的にどのような業務内容なのか、そしてそのようなフリーランスマーケターにはどのような知識が必要なのかなど、皆さんにご紹介していきたいと思います。
マーケティングのお仕事
1:リスティング広告運用代行業
リスティング広告とは、インターネット上で表示される広告のうち、検索サイトで検索したキーワードに関連した広告を表示させるという手法です。
もっとも有名なのは、GoogleやYahooが行っているものでしょう。
皆さんも検索サイトで検索した際に、表示されたWebサイト一覧のうちいくつかに“広告”などと入っているのをご覧になったことはありませんか。
基本的に検索サイトでは、キーワードに対して検索結果を表示させるのですが、それらのキーワードにリスティング広告が申し込まれていた場合、それらのウェブサイトをほかのWebサイトより上部に表示させる仕組みになっています。
その際に広告枠と分かるように“広告”と表示させているのです。
画像の例はGoogleにおいて、“保険 学資”と検索したときの結果ですが、表示されたWebサイトのうち4つは広告枠でした。
ちなみに、検索した結果、まったく広告枠がないばあいは、そのキーワードに広告を申し込んでいる企業がないことを意味します。
たとえば、“学資保険は意味がない”と検索キーワードに入力したとします。
その場合、一切広告枠はありませんでした。
でも、考えたら当然ですよね。
学資保険を検討している人がいるとても、そのような検索キーワードを入れる可能性はかなり低いです。
むしろ、“学資保険“や”おすすめ“、”学資保険 どれ“などといったようなキーワードを入れるのではないでしょうか。
そのように、「学資保険にはどのようなものがあって、どれがおすすめなんだろう?」と悩んでいる人に、学資保険商品を売り込むことが企業によっては重要であり、そういった方々はどのようなキーワードを入れるかを逆残して、リスティング広告を打つことが重要なのです。
そのような効果的なリスティング広告を打つアドバイスを一般企業に行ったり、実際に代理店として申し込みを受けるのが、リスティング広告運用代行業です。
たとえば〇〇ハウスというハウスメーカーであれば、“ハウスメーカー”といったキーワードのほか、よく比較検討されるライバル企業の“△△ホーム”などといった言葉に対しリスティング広告を打つなどという手法もあります。
△△ホームに資料請求や問い合わせをしようとした人が、〇〇ハウスにも興味を持ってもらえる=クリックしてもらえるようにすることが目的です。
もっともよく検索されるキーワードは他社もリスティング広告を出している可能性が高く、さきほどの保険の例のように4つ、ひどいときは、7つも8つも広告が並び目立たなくなってしまうため、あえてライバル企業が少ないキーワードを狙い少数派をキャッチするという手法もあります。
リスティング広告は直接GoogleやYahooなどに申し込むことができますが、どのようにしたらWebサイト訪問を効果的に増やせるか、リスティング広告運用のアドバイスも行ってくれるマーケターのいる運用代行業者を頼りにする企業が多くいるので、フリーランスにもチャンスがあると言えるのです。
※検索結果は2021年2月28日現在のものです。
2:SEO対策・ディレクション業
広告枠ではない部分で表示されるWebサイトの順番は、GoogleならGoogle独自の判断基準を用いて決めています。
先に表示されたほうがクリックされる確率が上がりますから、この上位に表示されることを目指すことが企業にとって重要な課題になっています。
Googleは広告収入などにより利益を得ているので、広告枠を上部に表示させるのが基本ですが、それ以降のWebサイトにかんしては、ユーザーの利益につながりそうなものを表示させるという指針は発表しています。
ユーザーの利益とは、検索したキーワードに対して合致したWebサイトを表示させることです。もっと簡単に言うと、ユーザーが知りたいと思った疑問に対する答えを明確に載せていると思われるWebサイトから表示させるということです。
そこで必要となるのは、Googleにどう判定して上位に表示させているのかの知識と、それに合わせてWebサイトを制作・改善することです。
そういったSEO対策をする、またはディレクションを行うのがSEOマーケターという仕事です。
3:コンテンツマーケティング
企業が商品やサービスを売るのに、ずばりその対象をダイレクトに宣伝することだけが唯一の方法ではありません。
現在、マーケティングの手法としてコンテンツマーケティングが注目されています。
具体的にはオウンドメディアと呼ばれるWebサイトを立ち上げ、そこのコンテンツの企画やサポートを行うものです。
オウンドメディアとは、自社が直接運営するメディアのことで、自社のWebサイト内のコンテンツの1つとして立ち上げたり、ブログページとして作成したりといろいろですが、いまや、消費者にむけて発信する大きな情報源となっています。
とはいえ、一般の企業にオウンドメディアを立ち上げるノウハウも人員、時間もないのが実情なので、多くの企業がコンテンツマーケティングを提供する企業に依頼することとなります。また、ノウハウを教わったり、最初の立ち上げだけで終わるのではなく、それ以降の日々のコンテンツ(記事)作成においてもサポートを依頼するケースも多いです。
フリーランスの場合、1人でそこまで行うことは難しいですが、指示だけして、ライターに書かせることで、毎月売上げをあげることが可能です。
そういった意味では、フリーランスとしても将来規模を大きくしたい、法人成りしていきたいという方におすすめの仕事と言えます。
4:SNS運用
企業の宣伝ツールとして欠かせない存在となっているのがSNSです。
これまでは個人が自分を表現する手段として広まりを見せたSNSですが、いまでは、小さなお店から一流企業までこぞって活用し始めています。
とはいえ、ただSNSで画像をアップしたり宣伝を流しているだけではなかなかフォロアーは増えません。
ターゲットに合わせた効果的な発信をして初めて結果が伴うのです。
そのようなSNS戦略をたてるのがSNS運用マーケターです。
たいていはその企業に代わってSNSを運用します。
また、基本的にSNS運用は1つではなく、Instagram、Twitter、Facebookなど複数のSNSを活用することとなります。
これらをひっくるめて日々の運用を受注すれば、継続的な収入源となるので、フリーランスのマーケターにもおすすめの仕事と言えます。
5:データ分析
企業にとって、顧客の行動パターンや商品の売れ行きなどさまざまな現象をデータ化して分析、それを今後の経営活動に活かすことは重要です。
とはいえ、自社内にデータ収集や分析に長けた人材を置くのは難しいため、それを手助けするデータ分析者に高い需要があるのです。
データ分析を出来る人をデータアナリストやデータサイエンティストなどと呼ぶ場合がありますが、ただデータを分析するだけでなく、それを実行可能なレベルに落とし込めるマーケターが必要となります。
KPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)の設定やBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)の活用、問題解決方法や実際の施策の提案などを企業のために行います。
また、Webサイトを重要なツールとして考える企業が今は多いですから、Webサイトに特化したデータ分析にとくに需要が高まっていると言えます。
具体的には、リスティング広告などの効果測定やランディングページ(LP)、Webサイト本体におけるコンバージョン率の改善提案といったものです。
たとえば広告宣伝を強化することによりECサイトへの訪問客が増加していても、実際に売上げが目標まで達していないという悩みを抱えている企業は多いです。1回あたりの購入単価が低い場合は、その人の好みに合いそうな別の商品を紹介したり、アパレル商品であればその商品にコーディネートできる別のアイテムをリコメンドしたりいった改善方法を提案が可能です。
もちろん、このようにWebサイトに関する提案をする場合には、実際にWebサイトを改善するプログラミングスキルがなくとも、どのようなことができるのか、ある程度通じている必要があるでしょう。
同時に、2つ購入すると割引にするといったような、Webに限らない一般的なプロモーション手法やそれによる効果などに対するアドバイスを行う必要もあると言えます。
このように、データ分析を通して総合的に施策に対するアドバイスができる人材であれば、フリーランスとしても活躍が期待できます。
6:コンサルティング
これまで説明してきた業務は、企業活動のなかでも現場の部門を助けるものと言えます。
しかし、マーケティングにかかわる業務のなかでも、その企業が企業戦略の確立や、今後の経営指針の決定をするのにコンサルティング業務を依頼するケースがあります。
コンサルティングとはクライアント企業の課題を見つけ、それに対する解決案を提案することですが、マーケティングの知識を活かして行う業務です。
もちろん、ビジネスや経営に対する知識も必要であり、フリーランスとして活躍する場合には実際にコンサルティング企業での経験や実績が求められることは言うまでもないでしょう。
フリーランスでマーケティングを仕事にするには
フリーランスの場合、仕事は黙っていても舞い込んでは来ないので、仕事を自ら探し受注する必要があります。
具体的にはどのような方法があるのかについて説明していきます。
1:クラウドソーシング、マッチングサイト、エージェントの活用
もっとも確実なのは、クラウドソーシングやマッチングサイト、専門性の高い職業の人を中心に求人情報を紹介するエージェントを活用することです。
一般的な求人サイトでも仕事を見つけることもできますが、より良い条件の仕事を受注したり、確実に収入を確保するためにも、探す方法は増やしておいたほうが良いでしょう。
クラウドソーシングを利用する場合、手数料などとして、報酬額に対し5~20%程度をクラウドソーシングサイトに支払うケースが多いです。
その代わりクラウドソーシングサイト上でやり取りが完結できたり、複数の企業と契約した場合も受け取り報酬額を一元管理できたり、プロフィール登録により企業側からオファーが来るチャンスも広がりますが、毎回手数料が発生することを考えると結構な金額になりますし、例えば報酬額に対して20%かかるとなると、実際に受け取る金額が8割になることを想定して仕事を進めていく必要があります。
2:知人や友人を通じて紹介してもらう
フリーランスの方全般に多いのが、知人や友人を介して仕事を紹介してもらう方法です。
前、勤務していた会社の同僚から紹介してもらうといった例も少なくありません。
また以前受注した企業の担当者からの紹介でといったこともありますので、1回1回仕事をきっちりとこなすことにより、さらなる仕事のチャンスが広がると言えるのです。
3:SNSやブログの活用
自らWebサイトを立ち上げてブログで自分をPRしたり、SNSで広く宣伝を行うことで
企業からのオファーが来るよう仕掛けることもおすすめです。
いかに自分をうまく宣伝するかも、マーケティングスキルの見せ所です。
これまでの実績をまとめたり、マーケティングにかんする解説記事を掲載することにより、企業の担当者の目に触れるようにするのです。
こういったケースの場合は、報酬額についてある程度自由に決めることができるのが大きなメリットと言えるでしょう。
稼げるフリーランスになるためには
もっとも基本的なところでは、毎月確実に仕事を得ることです。
そのためには、さきほど挙げたような仕事の受注方法を1つではなく、複数実践することです。複数契約をし、収入源を増やすことで、現役時代よりも高額な年収を得ることが可能となります。
また、1回きりで終わってしまう仕事ではなく、その企業のマーケティング担当として継続的な契約を行うことも重要です。
継続的に収入が入る契約の方が営業活動を行う手間が省けるからです。
営業活動に対する時間を省略することで、より多くの仕事を受ける時間の確保やスキルアップの習得につなげることができます。
継続的な契約を複数持ちベースを確保しつつ、新規開拓を行っていくことで収入を少しJ増やしていきましょう。
そのようにして経験や実績を積み上げることにより、より高額な報酬がもらえる案件を受注しやすくなります。
つまり「複数契約」「継続的案件」、そして「スキルと報酬単価のアップ」、この3つが、稼げるフリーランスになる最も確実な方法と言えるのです。
まとめ
いかがでしたか?
今回はフリーランスとしてマーケティングを仕事とする方法や稼ぐ方法について解説してきました。
フリーランスは社会保険等の面でも正社員よりシビアな世界でありますが、ニーズは十分にあり、やり方によってはサラリーマンより稼げる可能性も高いです。なぜなら、企業側としても、1人の社員を自社で教育しつつ年収600万円や800万円で雇うより、週に1度なり、2度ほど来てもらい、マーケティングに関する指南、対応をしてもらえるほうがコスト的にもクオリティ的にもパフォーマンスが良いケースが多いからです。
ぜひこのチャンスをものにして、稼げるマーケターを目指して下さい。