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サーバーエンジニアって将来性はある?生き残る方法についても解説

目次

サーバーエンジニアの将来性

サーバーエンジニアの将来性は決して明るいとは言えないのが現状です。
もちろん、現在は既存のシステムの設定や運用があるので案件には事欠きません。
しかし、長期的にはサーバーエンジニアへの需要は減っていくことが予想されます。
そこで、これからサーバーエンジニアを目指す方やサーバーエンジニアとしての道を歩き始めた方は、なぜサーバーエンジニアへの需要が減ることが想定されるのか、生き残る方法はあるのかについてしっかりと学んでおく必要があると言えます。

サーバーエンジニアの需要が減る背景について

○サーバーエンジニアの仕事とは

そもそもサーバーエンジニアの仕事とは、自社内にあるたくさんのパソコンで情報を共有したり、外部から必要な情報を表示できるようネットワークを組んだりする過程で、サーバーについて設計や構築・設定などを行うことです。
また、実際に稼働させたあとも運用や保守といった業務があります。
サーバーを立てることによりファイル共有が可能になるので、サーバーエンジニアの重要性は言うまでもありません。障害を起こさないようOSのアップデートを行ったり、障害が起ってしまった場合の対応を行ったりと、常に必要とされる存在と言えるのです。

○クラウドサービスを利用する企業が6割を超えた

社内にサーバーを置くスタイルが一般的でありましたが、最近では社内にサーバーを置くのではなく、クラウドサービスを利用する例が増えています。
総務省の情報通信白書によると、クラウドサービスを全社的に利用していると回答した企業は、2015年では22.8%ですが、2019年には36.1%に増加しています。
全社ではないが一部の事業所、または部門で利用していると回答した企業も加えると、2019年では64.7%と半数を余裕で超えていることが分かったのです。
今後利用したいと考えている企業は10%程度あるので、7割の企業が段階的にではありますが、クラウドを活用する状況になると推測できるのです。
どうしてこのような事態になったのでしょうか。それは、社内にサーバーを設置する必要がなくなるということが企業にとってメリットになると考えられているからです。
実際に、導入した多くの企業でクラウドサービスを評価しています。
「あまり効果がなかった」「マイナスの効果があった」と言った企業は1%未満で、「ある程度効果があった」「非常に効果があった」と回答した企業が85.5%にも上っています。

○サーバーレスの推進
クラウドサービスはいくつもありますが、AWS(Amazon Web Services)などではサーバーレスを推進しています。サーバーレスは他に、サーバーレスアーキテクチャやサーバーレスコンピューティングなどと呼ばれていることもあります。
そもそもクラウドサービスであっても、OSのアップデートやセキュリティパッチ対応などが必要でした。しかし、サーバーレス化すれば、サーバーはあってもクラウドサービスを提供している企業が構築から運用・保守までを担当するので、利用者は何も管理する必要はなくなるのです。
クラウドサービス提供企業においてはサーバーの運用・保守が必要であるため、サーバーエンジニアへの需要は相変わらずありますが、利用企業側からの需要はなくなります。
世界中にあるネットワーク自体は今後も巨大化していく傾向がありますが、クラウドサービスの利用、とりわけサーバーレスが推進されているため、サーバーエンジニアへの需要が将来的には減少すると言えるのです。

サーバーエンジニアの種類と仕事内容

サーバーエンジニアと一口に言っても、大まかに2タイプに分けることができます。

1:設計・構築

新しくネットワークを構築する、または既存のものをより高度な業務に対応出来るよう再編するといった場合に必要なサーバーの性能や機器、台数などを見積もって設計を行ったり、OSやミドルウェアを選択したりします。
もちろん、かかる負荷を予想しての負荷分散や、機器の故障による被害を最小限に食い止めるための冗長化も行います。
さらに、設計を元に実際にサーバーの設置、OSのインストール、設定、セキュリティ対策なども行います。
もうひとつの仕事である運用・保守と比較すると、一般的にこちらのほうが難易度は高いため、経験値の高いエンジニアが担当します。

2:運用・保守

すでに動かしているサーバーの監視や、データをバックアップし、セキュリティパッチをあてるといった運用、万が一何かあったときにサポートを行ったり、障害対応を行ったりという仕事です。
一般の企業の場合、自社内で対応出来る人材がいないので、設計からこの運用・保守まで外部委託を行います。
最初、サーバーエンジニアになりたての場合、この運用・保守、とりわけ監視やバックアップなどの定期的な作業を行うところから始めます。

サーバーエンジニアのキャリアパス

繰り返しになりますが、一般的にサーバーエンジニアは運用・保守からスタートすることとなります。
定型的な作業を行い、まずはいろいろなサーバーに対して知識と経験を積んでいきます。
もちろん、何かあったときに障害対応を行うということも業務内に入ってきます。
冷静に原因の切り分けを行い対処していくことが必要です。

○運用・保守から設計・構築フェーズに

サーバーに関する知識や経験を積んだら、設計フェーズを担当できるようになることが一般的な第一ステップと言えます。
使用用途に応じて、どれくらいの性能のサーバーが求められるのか、種類や台数について算出します。
また、OSの選択やミドルウェアと呼ばれる、OSと各アプリケーションを繋ぐソフトウェアの選定、パラメーターの設定をどうするか決めていくのも大事な仕事です。
当然、OSやミドルウェアに関する知識を付ける必要があります。
ここで最も重要なのは障害対策です。
基本的にインフラ・ネットワークは24時間継続して動くことが求められます。
万が一サーバーの1つが障害で動かなくなっても、サービスに影響が出ないよう設計することが理想的です。
もちろん予算があれば、予算内に押さえることも求められますが、サーバーエンジニアは無事ネットワークが稼働するようなサーバー設計をすることが大事な仕事の1つとなりますし、設計を元に1つ1つしっかりと構築・設定作業も行う必要があります。

○サーバーエンジニアに用意された3つの選択肢

サーバーエンジニアは基本的に3タイプの選択肢が用意されています。
1つは、サーバーエンジニアをまとめるリーダーやマネージャーといった立場に昇進することです。
場合によっては、サーバーエンジニアだけでなく、ネットワークエンジニアなど、インフラ系エンジニア全体をまとめるマネージャーとして活躍することも可能です。
当然、サーバーエンジニアやその他インフラに関するある一定以上の知識が必要ですが、さらに管理者としての知識・スキルが必要になります。
プロジェクト管理、メンバーの管理・育成、予算管理など、いわゆる、ビジネススキルと呼ばれるものです。
なお、プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)、プロジェクトマネジメントオフィス職(PMO)であれば、年収700万円超えの案件がいくつも見つかりましたし、なかには900万円といったものまでありました。
もちろん企業の規模や扱う案件によって年収は変わってきますが、サーバーエンジニアの経験を活かしてより上流工程を担当したいという方にはおすすめのキャリアパスと言えるでしょう。

2つめは、スペシャリストになることです。
サーバーエンジニアが持たなければならない知識範囲はかなり広いです。
たとえばOSと言っても、Linux、UNIX、Windowsがあり、案件によって使うOSを変えるのが一般的です。
ただし、サーバーのOSとして圧倒的なシェアを持つLinuxは、改変が可能なオープンソースタイプのOSであり、そのネットワークの実情に合わせて調整することが可能です。
そのためLinuxを使いこなすことができる人材への需要は高く、実際の求人案件でも高額な年収のものが多く見られます。
また、前述したように現在はクラウドサービスの利用率が年々増加していますので、これまでのサーバー管理の知識に加え、AWSやAzure、GCP(Google Cloud Platform)といったクラウドサービスにおける知識をつける必要があると言えます。
最近では、サーバーエンジニアとは別にクラウドエンジニアなどという新しいジャンルで呼ばれています。
自社にサーバーを置いてネットワークを構築するオンプレミスからの移行をサポートしたり、クラウド上で新規案件を立ち上げたりといったスキルを身につけていきましょう。
なお、もし今の会社ではサーバーエンジニアとしてこのような道が叶わないのであれば、これらのクラウドサービスを取り扱うSIベンダーへの転職を目指すと良いでしょう。
クラウドを扱えるサーバーエンジニアの年収も高額な案件が多いです。

▽スペシャリストになるためのお役立ち資格

1:LinuC(Linux技術者認定資格)

Linuxに対する技術者認定試験ですが、これまであったLPICからクラウド時代に必要な新たな試験として2018年に新設されました。
レベルは3つで、LinuCレベル1では、物理Linuxサーバー、仮想Linuxサーバー両方の構築や運用方法について問われます。
2種類の試験があり、それぞれをパスする必要がありますが、一方を合格したあとは5年以内にもう1つを合格する必要があります。
ある程度の知識がある人が勉強するとすれば早くて1ヶ月程度で取得できると言われていますが、かけられる時間や現在のレベルによっては3ヶ月ほどかかると見ておくと良いでしょう。

2:AWS認定

世界で一番のシェア率を誇るAWSクラウドサービスにおける知識を証明する資格です。
クラウドサービスにおけるスキルを証明したい場合には、まずシェア率が最も高いAWSに挑戦することがおすすめです。

3:Microsoft Azure認定試験

AWSの次にシェア率が高いMicrosoft Azureに関するスキルを証明する資格です。
開発者向けか管理者向け、またはエンジニアというよりは営業や担当者向けの基本レベルの3つに分かれています。
全く経験がなく、クラウドについても知識が乏しい場合はまず、入門者向けである『Azure Fundamentals』から受けると良いでしょう。
ただしこの基本レベルを飛ばして、いきなり開発者向け、または管理者向けの資格を受けることも可能です。その場合は、開発者向けの『Azure Developer Associate』、または管理者向けの『Azure Administrator Associate』などがあります。

3つめの選択肢は、サーバーエンジニアという職業の経験を活かして別の職種に転向することです。
とくに、企業からIT全般の相談を請け負うコンサルタントという道に進む方が多いです。

この3つのうちどれを選ぶにせよ、まずはサーバーエンジニアとしての実務経験が必要です。
より高額な年収を提示してくれる企業に転職するにしても、1年から3年、場合によっては5年の実務経験などと書かれていますので、まずは経験を積み重ねること、そしてどの道に進めば良いかを自分のなかで決めていくことが将来性を確保できる最初のステップです。

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