フリーランス編集者を目指したい方必見!メリットや年収、必要なスキルについて
編集者でもフリーランスになれる
出版社や新聞社に所属し、本や雑誌、新聞などの企画を行ったり、作家や記者とコミュニケーションを取ったりしながら記事や書籍を作り上げていく編集者という職業は、フリーランスとして活躍することも可能です。
企業内で働く場合は基本的に、会社の方針に従って作品を作り上げていくという姿勢でいる必要がありますが、フリーランスの場合は自分が良いと思った企画で自由に制作を進めていくことが可能です。
通常、出版社などに勤務すると、1つのプロジェクトを分担したり社外に業務委託したりと、全てに関われないケースがあります。
特に大手企業にそういった傾向が多く見られますが、「最初から全て自分が関わりたい」と考える方にとっては不満に感じることもあるでしょう、
フリーランスは、センスに自信がある、伝えたいことがある、自分ですべて取り仕切りたいという方には、まさに理想の働き方といえるでしょう。
○働き方も自由
自由なのは、企画や制作の方向性だけではありません。
働き方も自由です。
一般的に会社に勤める編集者の場合、出勤時間や定休日が決まっており、それに従わなくてはならないものです。
最近は世間的に労働に関するルールが厳しくなっていますので、過度な残業や休日出勤などは減りつつあるでしょうが、それでも時間が決められている限りは守っていかなくてはなりません。
一方でフリーランスの場合、基本的に通勤はありませんし、クライアントとの約束の時間まで自宅でのんびり過ごそうが、家事に専念しようが自由です。
子どもの行事などで平日を休みにすることも可能ですし、逆に土日に仕事をすることもできます。
そういった意味では、子育てや介護などで一般の企業では働きにくい方にとっても、フリーランスは大きなメリットがあるといえるのです。
フリーランス編集者の年収は?
編集者の給料についてはどうでしょうか?
大手出版社であれば600~800万円、ベテランの場合1,000万円を超えることもあります。(「スタディサプリ進路」より)
とはいえ、企業によって大きな差があるうえ、大手出版社に入るためには四年制大学、しかも名の通ったところを出ているといった条件でないと採用されにくいため会社勤めの編集者が皆このくらいの年収をもらえるわけではないということは知っておきましょう。
実際の求人例をご紹介します。
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【case1】有名出版社のメディアコンサルティング
業務内容:クライアントへのヒアリングとリサーチ・読者ターゲットとテーマの設定
テーマにあわせた書籍の企画立案
ライターやデザイナーのディレクション業務
印刷会社との打ち合せ・制作の手配、および納品
給与:月給32万円~(年収512万円~)※経験・能力による
【case2】コミック誌の編集者
業務内容:漫画家と魅力的なストーリーを作り上げるマンガ編集・トレーディングカードゲームに関する記事の編集
給与:月給28万円~35万円(基本給は20.36万円~25.45万円
(予定年収350万円~450万円 ※残業手当:有)
【case3】保育士向けWebメディアの編集者
業務内容:編集方針立案、企画出し、ライターマネジメント、記事制作に関わる進行管理
新規ユーザー獲得のためのSEOコンテンツ企画制作などのコンテンツマーケティング
アクセス解析ツールを使用した分析、改善施策立案など
ライターの獲得、管理、外部提携先対応
給与:月給30万円~60万円(基本給は22万8,570円~44万3,930円)
(予定年収420~840万円 ※残業手当:有)
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以上の例から、企業により年収に差があることが分かります。
ちなみに一般サラリーマンの平均年収は436万円です。
(国税庁「令和元年 民間給与実態統計調査」より)
一方フリーランスの場合は給与制ではないので、会社勤めの編集者以上に年収にばらつきがあります。
仕事の受注の仕方、範囲、本数などで大幅に変わってくるからです。
そもそも、継続して案件を受注しなければ収入はなくなるので、自由は手に入れても年収が下がる恐れはあると考えておいたほうが良いでしょう。
もちろん、頑張り次第で会社勤め時代より年収を上げることは可能です。
結論としてはあなたの頑張り次第といえるでしょう。
フリーランスの編集者に必要なスキル
フリーランスが安定して仕事を得るには、どのようなスキルが必要なのかについて説明していきます。
1:営業力
一番大事なのは営業力です。
サラリーマンの場合は基本的に会社から仕事が与えられますが、フリーランスの場合は自ら仕事を探し受注する必要があります。
2:経験や知識
出版社や新聞社などがフリーランスに仕事を依頼する場合、いくつか理由が考えられます。たとえば、社内で編集者を育てるとなるとお金と時間がかかるので、十分な経験を持つフリーランスに依頼せざるを得なかったり、社内に最低限の人数しか編集者をキープしておらず仕事量がオーバーする場合のみフリーランスに頼みたいというケースだったり、新しい分野の立ち上げの間だけその道に経験のあるフリーランスに委託しようという場合などです。
逆にフリーランスを目指すという方は、そのような需要を取り込むのが仕事を受注するポイントになるのですが、当然経験や知識を保有していることが前提になります。
未経験でも可としている募集は数が限られるうえ、仕事に高い知識が求められない代わりに単価が低いという特徴があります。
したがって、少なくとも3年、または5年ほどの経験を積んでからフリーランスになるのがおすすめです。
3:コミュニケーション能力
フリーランスは社員ではありません。
しかし、業務委託契約で仕事をこなすには、社員や印刷会社などの取引先と社員のようにコミュニケーションをとる必要があります。
長期契約、または継続した契約でずっと同じメンバーとのやり取りならいいのですが、いろいろな企業の仕事を請け負うこととなるので、コミュニケーション能力はサラリーマン以上に欠かせません。
フリーランスの編集者に大事なこと
1:迅速なレスポンス
フリーランスの場合は基本的に在宅で仕事をこなします。
したがって企業担当者などとのやりとりはチャットやオンライン会議、スマートフォンなどが主となります。
オンライン会議などの場合はあらかじめ日時を決めることがほとんどですが、それ以外の用件はチャットツールなどを通じてくることが多いです。
朝連絡がきたのに返事が翌日になるようなことが頻繁に続くと、企業担当者に迷惑をかけてしまったり評価が低くなったりする恐れがあります。
レスポンスは素早く行う、フリーランスだからこそ常に臨戦態勢にいることが大事です。
2:向上心
サラリーマンの場合、上司や先輩から指導してもらえたり、仲間から新しい情報をもらったりするものです。
また、企業によっては積極的にセミナーに参加させてくれるなどスキルアップをすることが可能です。
一方でフリーランスの場合は、自ら知識を得ようとしなければスキルアップが叶いません。
スキルアップをしていかなければ、報酬額が高い案件をなかなか受けられないので、向上心を持つことが大事だといえます。
3:何にでも挑戦する気持ち
一口に編集者と言っても、その活躍の場は実にさまざまです。
編集者というと出版社や新聞社などが受注相手としてすぐに思い浮かぶでしょうが、最近はそれ以外の企業からもニーズがあります。
具体的にはインターネット上の読み物やコンテンツ、Webメディアなどです。
むしろ書籍やコミック本というものは先細りの傾向があり、インターネット上のコンテンツのほうに将来性があるとさえいえる状況です。
インターネット上のコンテンツには書籍と同じような側面はあるものの、逆に書籍や雑誌などにはない、SEOなどインターネットならではの知識も必要とされる場合があります。
フリーランスとしてずっと編集の分野にいたいのであれば、専門的な知識を深めるほか、こういった新しいジャンルに挑戦していくことも重要です。
そういった意味では“何にでも挑戦する気持ち”を持つことが大事だといえるでしょう。