在宅ワークで疲れる原因は部屋づくりにあった?集中力アップも叶う対策も解説!
テレワーク、とりわけ、在宅ワークという新たな勤務方法が広まりつつあるなか、仕事の仕方や身体面で悩みを抱える人が増えています。いずれも仕事の効率に影響を与える困った問題ですが、身体面の悩みに関しては、部屋の環境を整えることで大幅に解決されることが多いです。
今回は、快適な在宅ワークを叶えるための部屋の環境づくりについてご紹介していきます。
在宅ワークで起こる問題とその理由
在宅ワークにおける悩みに関する調査で、身体的な問題をあげる方は少なくありません。
とくに、「肩が凝る」「腰が痛い」などといった声が多く、男性女性問わず多くの方を悩ませているようです。
では、なぜ肩が凝ったり、腰が痛くなるのでしょうか。
それは、仕事をするときの姿勢が適していないためです。
では、なぜ、適した姿勢になれないのかというと、椅子やデスクなどの家具に原因があることが多いです。
「勤務先と同じ仕事をやってるのになんで?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、オフィスを想像してみると、自宅とはまったく環境が違うと言えませんか?
そもそもオフィスというものは仕事をするための場としてデザインされ、設備が整えられている場所です。
いっぽうで自宅は仕事用ではなく、あくまで生活の場として設計されているはずです。
環境が根本的に異なると言えるのです。
とはいえ、自宅を会社と同じような環境にすることは無理ですし、逆に生活がしづらくなってしまいますので、できる範囲でオフィスのような環境を実現するということが必要なのです。
まずは場所の確保から
まず考えてほしいのが、自宅のどこで仕事をするのかということです。
書斎などの仕事部屋が確保できる方は当然その部屋になると思いますが、たいていは専用スペースがない方ばかりだと思います。
在宅ワークに慣れた方がよく選ぶ場所は、おもに3つです。
▶寝室
寝室に余裕があるという方は、寝室の一角に場所を確保する方法があります。
家族がいる、とくに、小さなお子さんがいるといった方は、静かに自分のペースで仕事ができるよう、生活の中心であるリビングは避けたいといった理由があります。
▶リビング
寝室が狭い、または子どもを見ながら在宅ワークをしなければならないといった場合、仕事もリビングが中心になるでしょう。また、そもそもワンルームでほかに部屋数がないという方も同様です。
その場合、ダイニングテーブルやリビングテーブルではなく、別のスペースを確保することがおすすめです。
▶ホール
2階建て以上の戸建に住まれている方のなかには、階段をあがったホールなどにちょっとしたスペースが確保できる方もいるでしょう。
最近では、居室以外のそういったスペースにランドリースペースとして洗濯物を干すスペースを確保している方もいます。
そこで、居室にはない解放感を得ながら仕事をするといった方法もおすすめです。
代表的な3か所を仕事スペースとしてご紹介いたしましたが、上手に在宅ワークをしている方のなかには、時間や作業内容によって変えるといった方も多いです。
たとえば、日中はリビングを使用し、夕方、お子さんが帰宅したら寝室に移るといった方法です。
または、基本的にリビングやホールで仕事をしているが、オンラインミーティングや取引先との商談が発生した場合にだけ、寝室など別の場所に移動をするといった方法です。
というのは、リビングでほかの家族がいて話し声や生活音が入ってしまう恐れや、ホールだと吹き抜けの構造になっていることにより声が反響してしまう恐れがあるためです。ミーティング中に家族の話し声や生活音が入ることは避けたいですし、会議で話し合われている内容は部外者には機密であるため、環境には気を配る必要があります。
なお、ウォークインクローゼットを改造し、書斎にしてしまうなんて大胆な方法もあります。電源の確保や空調の問題もあるのでリフォーム工事が必要ですが、これから在宅ワークが中心となるなんて方は、検討しても良いかもしれません。
デスクを用意しよう
在宅ワークを快適に行うには、デスクを用意することがおすすめです。
書斎など専用の仕事スペースがない方が初めて在宅ワークをする際、ダイニングテーブルやリビングテーブルを使いがちですが、それが肩こりや腰痛など身体的な問題の原因となっているケースが多いです。
そもそも在宅ワークはパソコンを使ってする作業がほとんどですが、ダイニングテーブルやリビングテーブルがそのパソコン作業にむいているとは言い難いためです。
パソコンでの仕事は、ほとんどがモニターを見ながらキーボートを打つという作業になりますが、そのときの姿勢としては、椅子に座り前方を見るというスタイルになります。
そのとき、前かがみになっていたり、必要以上に後ろにのけぞっている姿勢でいると、肩こりや腰痛を引き起こす恐れがあります。
低すぎるデスクだと前かがみになってしまいますし、高すぎると自然な姿勢でキータイピングができません。
20度から30度上からの角度でモニターを見るようにすることが望ましいので、その高さになるようなデスクを用意するのが理想的です。
かつ、手をキーボードに置いたときにひじが、平行になることも確認をしましょう。
机の高さが平行で腕を置く位置が適正と感じられたとしても、パソコンのモニターの大きさが小さいと、下向き加減になる可能性もあり首から肩に負担がかかります。
その際には、モニターアームやモニタースタンドを活用すると良いです。
モニターの高さをあげることで、不必要に首を曲げることなく、自然な形で画面を確認できるようになります。
ただし、使用しているのがノートパソコンの場合、ノートパソコン自体を上にあげてしまうことになるので、キーボードが打てなくなるといったデメリットがあります。
その場合、キーボード単体を別途用意することで、打てなくなるという問題は解決されます。
または、大きなモニターを準備する方法もあります。
手元にノートパソコンを置き、ノートパソコンの画面を別のモニターに出力するといった方法です。
とくに細かい作業が伴う方や、同時に複数のアプリを立ち上げる方は、大型のモニターを用意すると仕事効率がアップするでしょう。
~こだわりたい、デスクの機能~
デスクを選ぶ際に知っておきたいポイントがあります。
〇天板のサイズ
デスクを選ぶ際によく考えなければならないのが、天板のサイズです。
ダイニングテーブルには、2人掛け、4人掛けなど、参考になるサイズ表記がありますが、デスクには参考となるような呼称がありとは言えず、いったいどれを選んだら良いか迷いがちです。
一般的に仕事用のデスクとして販売されているもので、もっとも奥行きがせまいものは35~40cmほどです。
しかし、奥行き40cmのデスクだと、使用しているパソコンによってはかなりやりにくさを感じるでしょう。
たとえば、15インチのノートパソコンの場合縦の長さは25cm程度ですから、40cmの奥行きのデスクにおけないことはありません。
とはいえ、一般的な高さのデスクを使用しパソコン作業を行う場合、画面は少し上向きに傾けて使用することになりますので、その分の奥行きも必要です。
また、キーボードを使用するにあたり手も添えるので、その分のスペースを考えると、45cm以上が望ましいと言えるでしょう。
もちろん小さめのモバイルパソコンの場合や、奥に壁がない場合などは、35~40cmの奥行きのデスクでも十分といった意見もあります。
しかし、あまりにモニターとの距離が近いと、目の疲れや視力低下を引き起こしかねないので、全体のバランスを考えて選ぶようにしましょう。
なお、幅は、80cm~100cmのものが多いですが、120cmあるとゆとりが出て、作業がやりやすく感じるでしょう。
スマホなどの備品や飲み物を置けるだけでなく、観葉植物や写真たてなんかも置けるようになり、ときおりリラックスしつつ仕事に集中ができるようになります。
また、椅子を2つ並べれば、隣で子どもに宿題をやらせながら仕事をするといったことも可能です。
いっぽうでモニターを2つ置く必要のある方は140cm以上幅があるデスクか、L字型のデスクで移動せずとも2台のパソコンで作業しやすくなるデスクを選ぶと良いです。
〇収納付きかどうか
仕事をする際に使用するものとしては、パソコンやスマートフォンなどのほかに、資料やメモ、手帳などが挙げられるでしょう。
建築やインテリア関係のお仕事の場合、分厚いカタログなどを使用される方もいると思います。
デスクに引き出しなど収納があれば、使用しないときにしまっておくことができるので、部屋をすっきりとさせることができます。
また、小さなお子さんがいて仕事で使う備品をいたずらされたくないという方も同様です。
大事な資料に落書きされたなんてことになったら大変です。
鍵がかかるような引き出しがついている必要はないと思いますが、使用するアイテムが多い方ほど、収納付きデスクを選ぶことをおすすめします。
〇高さはどうか
自分だけでなく、配偶者や子どもが宿題や勉強をするときにも使用させたいという場合は、机の高さをどうすればいいのか迷う方もいるでしょう。
その場合は、高さが調整できる昇降式のデスクを選ぶと良いです。
ハンドル式のものやガス圧式のものが一般的ですが、電動式のものもあります。
電動式のなかには、障害を検知するとストップしたり、高さを記録して都度調整をせずとも高さが変えられる高機能タイプもあります。
そもそも長時間座って仕事をすることで、肩こりや腰痛などの悩みを引き起こすだけでなく、運動不足になるといったことは否めません、
高さが調整できるものには、立った姿勢でちょうど仕事がしやすい高さにまで調整できるものもあります。
普段は座って仕事し、ときにスタンディングデスクとして立ちながら仕事をすれば、運動不足や体の痛みも軽減できる可能性があります。
デスクに合う、椅子を選ぶ
デスクのほかに用意したいのは、椅子です。
椅子に座っているときの姿勢として望まれるのは、骨盤が立っている状態です。
椅子に深めに座った状態で背もたれによりかからずに背筋を伸ばします。
そのとき左右どちらにも均等に体重がかかるようにし、足をきちんと床につくようにするのが良いのですが、この姿勢を長時間保つのはなかなか難しいです。
気が付くと、背もたれによりかかり、お尻が前にきていて背中が丸まった状態になっていることが多いです。
とくに作業に集中するあまり、画面に顔を近づけ猫背になっていくという方は多いです。
そのようなことにならないためにも、しっかりと自分に合う、かつ正しい姿勢をサポートしてくれるような椅子を選ぶことが重要なのです。
どんなものを選ぶとよいかポイントをご紹介します。
〇背もたれはあったほうがおすすめ。できればハイバックチェアタイプを
椅子には背もたれがないスツールタイプと背もたれがあるタイプに分かれます。
長時間座って作業をする方には、背もたれ付きがおすすめですが、肩の部分までしっかりと支えてくれるハイバックチェアタイプがおすすめです。
具体的には頭部の部分まで高さがあるものですが、とくに、包み込むようなデザインになっているものが人気です。
スポーツカーのパケットシート座席のような形で、正しい姿勢をキープしてくれるようサポートしてくれるのです。
インターネットで探す場合、ゲーミングチェアと検索すると良いです。
もともとゲーマーに人気の椅子で、見た目はスポーティで派手なものが多かったのですが、テレワークが広がるにつれ、在宅ワーカー向きのシックでシンプルなタイプも増えてきました。
〇ランバーサポート機能付きがねらい目
ランバーサポートとは、腰まわりをサポートしてくれる機能のことです。
腰は、身体のなかでももっとも負担がかかる部分とされているので、ランバーサポートがあるとないとでは、疲れ方が大きく変わります。
ランバーサポートにはおもに2タイプあります。
背骨が自然な曲線となるのをサポートしてくれるという点では同じですが、クッションのようなものがついているもの、背もたれ自体が曲線を描いており、寄りかかると自然に姿勢も曲線になるものがあります。
クッションタイプのものは柔らかすぎず、適度な反発力があるものがおすすめです。
柔らかすぎると沈みこんで自然な曲線とならないためです。
また、外して洗えると大変便利です。
なぜなら、背中は密着する部分であり、汗をかきやすいためです。
取り外して洗うことで衛生的に保つことができます。
いっぽうで内蔵型のタイプは見た目がすっきりとしているというメリットがあります。
どちらが優れているということはないので、お好みで選ぶと良いでしょう。
なお、高さを調整できるものもあります。背の高さにより適した位置も異なるので大変便利ですし、夫婦で1つの椅子を共有するなんて場合でも便利です。
なかには、高さだけでなく左右も調整できるものもあるので、疲れにくさにこだわりたいという方はぜひチェックしてみてください。
適度な明るさも確保しよう
デスクと椅子にこだわることも大事ですが、意外に重要なのが明るさです。
おもに日中に在宅ワークをする方は、日差しの明るさを利用することがもっともおすすめです。
基本的には窓の近く、日差しが届く範囲の場所がおすすめです。
日差しと照明により適度な明るさを確保できるからです。
また、ときおり、画面から視線をはずし、外の景色を見ることで目の疲れや視力の低下も防ぐことができます。そして何より気分転換やリラックス効果も得られるでしょう。
とはいえ、窓と向き合う形で仕事をするとき、日差しが強いと画面が陰になり文字が読み取りづらくなります。
いっぽうで窓が横にきたり、背にした場合、脇や後ろから日が差し込むので、パソコン画面に日光が反射して見えづらくなるという問題があります。
とくに日中の強い日差しや西日には注意が必要です。
どちらの場所にしても直射日光を浴びながら仕事をすることは疲れの原因にもなりえますし、場合によっては頭痛を引き起こします。
したがって、カーテンやブラインドを活用して日差しの強さを調整することが重要です。
また、季節によっても部屋の環境は変わります。
夏場、窓のすぐそばは暑くなりがちなので、季節により部屋のレイアウトを変えて場所を移動するといった方法がもっともおすすめです。
気分転換もかねて、模様替えを検討してみてはいかがでしょうか。
~部屋が暗い場合はデスクライトを活用~
部屋の方角や位置の問題で、または窓がないクローゼットなどを活用している場合、十分な日差しが確保できない場合もあると思います。
部屋の照明を明るいタイプに変えたり、デスクライトの活用がおすすめです。
また、その際には、パソコン画面の明るさを調整することもポイントです。
部屋の明るさとパソコン画面の明るさの差が大きいと目の疲れにつながるためです。
デスク周りにグリーンや癒しグッズを置く
在宅ワークするのにおすすめのインテリアは、観葉植物や癒しグッズです。
在宅ワークの場合、他の人と話す機会が減って、代わりに、画面と向き合い淡々と作業をする時間が増えるものです。
結果、孤独を感じたり、気分が滅入ってしまうなんて方もいるようです。
在宅ワークを快適にするには、気分転換をすることがおすすめで、その役に立ってくれるのが観葉植物などの癒しグッズなのです。
グリーンのほか、ぬいぐるみや、金魚やめだかなどの水槽もおすすめです。
好きな絵を飾る方法もあります。
また、ヨガマットやストレッチグッズを揃えておき、5分程度でも休憩がてらに凝り固まった体をほぐすこともおすすめです。
集中できない場合は壁やパーティションを利用しよう
在宅ワークにどうしても集中できないという方もいるでしょう。
その原因のひとつとしてあげられるのは、生活の場である自宅ならではの誘惑物です。
それだけでなく、音楽を聴きながら、もしくはテレビをつけながら…なんて具合に仕事をしていると、思ったように仕事が進まなかったなんてことになりかねません。
仕事に集中するポイントとしては、視界に余計なものを入れないことです。
壁にむかってデスクを設置したり、パーティションで区切るといった方法があります。
柱やなにかのでっぱりがあって、一部くぼんだ位置がある部屋なら、そのくぼみを利用する方法もあります。
他に気を付けるものとして、生活音があげられますが、パーティションを設置すると、音が入りにくくなるという利点も生まれます。
パーティションには、三連タイプのものや一枚タイプのもの、据え置き型のもの、突っ張り棒のように天井にまで届くものなどさまざまなタイプがあります。
また、透明でうっすらと様子がわかるもの、布張りのもの、ルーバータイプのものなど、素材や形状もさまざまです。
小さなお子さんがいる場合は、すぐに倒れてしまうようなものは避けたほうが良いと言えますし、ルーバーや透明なもので様子がわかるもののほうが安心だという意見もあるでしょう。
また、メモ書きをよく使用される方は、付箋が晴れるタイプが良いなんて方もいるでしょう。
在宅ワークの広がりにより、一般住宅向けのパーティションにも選択肢が増えているので、それぞれの事情に合ったものを選ぶと良いです。
~パーティション付きのデスクもある~
パーティションを用意するのが大変、またはスペースがない場合、パネル付きのデスクを用意することもおすすめです。
個室ではないものの、仕切りがあることで個室のような感覚を得ることができます。
両方ともパネルがあるもの、片側にだけパネルがあるものと種類もあるので、自宅の状況に応じて選びましょう。
暑さ、寒さ、日焼け対策も忘れずに
つい忘れがちなのが、夏の暑さ、冬の寒さ対策についてです。
夏の暑さも冬の寒さも、もっとも影響を受けるのは窓のそばです。
夏は、カーテンを設置して直射日光を入らないようにすることはもちろん、ネッククーラーなどを活用し暑さ対策をしましょう。
逆に冬は足元が冷えがちなので、ひざかけの準備はもちろん、机の下に暖房器具を設置することがおすすめです。
まとめ
本記事では、在宅ワークに適した部屋の環境づくりについて解説してきました。
すべて実行することは難しくても、部分的にインテリアを変えることで、在宅ワークを少しでも快適にすることができるはずですので、ぜひトライしてください。